異国の味

はじめて食べた外国料理が、中華またはイタリア料理のパスタかピザだったという人はとても多いと思う。オーストラリアの小さな町に生まれ育った夫と大阪育ちの私にとっても、中華がはじめての異国の味だった。もちろん本格中国料理じゃないけれども…

もはや簡単な中華風炒めや、パスタ料理にかんしては外国の料理のはんちゅうに入らず、世界のいろんな家庭で気軽に作られている料理に格上げされている。

どこの家でもスパゲティトマトソースを作っているだろうし、スパゲティボロネーゼは子供たちに大人気だから、子供のいる家庭の定番メニューのはず。

中華にしても、スーパーでソース付き野菜炒めのパックが買えるので、これらを家で作る人は多いと思う。私のイギリス人の同僚も「昨日は焼きそばを作った、チキンと野菜を中華風に炒めて食べた!」なんてよく言っている。

カレー、カバブ、タコス。移民と共にどんどん新しい味がロンドンに定着してきた。

そんな中で、「最近つくづくロンドナーの食生活に欠かせない食べ物になったなー」と感じさせるのはレバノン、シリア、ヨルダン、エジプト、イスラエルなどで作られているHummus。(日本語読みをしたらフムスまたはホムスって感じ、人によって発音が違う。)レバノン人の友人が言うには、「Hummusの発祥地は領土問題と同じで、各国が所有権を主張しているので、レバノン人に聞いたら、レバノン、エジプト人に聞いたらエジプトがHummusの故郷と熱く主張しだすから埒があかない」だからこの話は彼らとしないに越したことはない!

ホムス

Hummusは茹でたひよこ豆、タヒニという練りゴマ、オリーブ油、にんにく、レモン汁を混ぜて作ったペーストで、ピタパンと一緒に食べたり、きゅうり、赤ピーマン、セロリ、人参のステックにつけて食べたり、ピクニックやパーティでのおつまみには欠かせない人気食品。私が働く小学校でも、おやつやランチにHummusと野菜のステックを持ってくる生徒がけっこういる。今や多くのロンドナーの冷蔵庫の中にはHummusが入っているのでは?

そしてここ最近ロンドナーが愛してやまないのが、お寿司であるSushi。いやー30年前、25年前には考えられなかった現象だ。Sushiがスーパーで売りだされた当初、「あんなご飯がプラスチックのように固そうなSushiは、絶対に食べたくない、買いたくない」と思った日本人は多かったと思う。

最近では家庭でSushiを作る人も増えてきている。Sushiの作り方を教える料理教室も人気があるそうだし、友達の中にも本格的に日本食材店でお魚を買ってSushiを作る人から、定番のスモークサーモン、アボカド、キュリのみで作る人まで幅広くいる。

私が働く小学校でも「一番好きな食べ物はSushi」とか「昨日の晩ご飯はSushiやった。」という子供たちが結構いて、これを聞くたびに「この子たちを日本の回転寿司に連れて行ってあげたい」とつくづく思う。

一度日本人の友達に来てもらって、2年生の子供たちと一緒に巻き寿司を作ったことがあるが、子供達は大喜びで、その父兄にもとても感謝してもらった。同じ経験をした日本人も多いんじゃないかな?

美味しい寿司飯と、新鮮な魚貝をふんだんに使った、日本で食べられているお寿司とは違うSushiだけれども、自分の国の料理がこんなにも多くの人々に愛されている事を、私も素直に嬉しく思う。

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