今学期の最終日「 Have a lovely holiday, Merry Christmas」と言いながら生徒を送り出した。
このMerry Christmasという掛け合いは今やこの季節の決まり文句として使われてる挨拶。
でもMerry Christmasと言いながら「みんなそれぞれ違ったクリスマスを送るんやろな~。」とふと思った。
私が担当しているクラスの子供達の家庭では、ほとんどがクリスマスのお祝いをすると思うけれども、クリスマスの当日に教会にミサに行って宗教的な意味でのクリスマスを祝う家族は少ない気がする。
多国籍、多民族都市ロンドンの場合、クリスマスのお祝いのしかたも千差万別。我が家のようにロンドン在住の外国人同士の家庭なら、イギリス人の家庭とは少し違った、それぞれの国の伝統を取り入れたやり方でクリスマスを祝うと思う。
うちのクラスの中国人の子供達の家庭ではターキーは食べないというし、ユダヤ教徒の生徒はクリスマスは祝わないけれども、その日はプレゼント交換はして、ご馳走は食べると言っていた。日本と同じで、本来の宗教的意味なしのクリスマス。でもこの日は全く平日扱いのユダヤ教徒の家族も知っているし、本当に各家庭様々。
でもクリスマスを祝わない人がいるおかげで、もしクリスマス当日に買い忘れたものに気付いても、近くのイスラム教徒のアラブ人やアフガニスタン人が経営している食料雑貨店は空いてるのでこれがとても助かる。
スペイン、イタリア、ドイツ、デンマーク、フランスいわゆる大陸のヨーロッパ人はクリスマス当日じゃなくクリスマスイブに家族が集まってご馳走をいただく家庭の方が多いようだ。
昔スペインのマドリッドに住んでた時、仲良しのスペイン人ファミリーに招待を受けて、クリスマスイブにご馳走になったことがある。
今になると何を食べたかは覚えていないけれど、前菜の一番最初に出てきたアボカドとエビのプラウンカクテルが美味しかった事だけは記憶にある。
ポーランド人の友人Kが言うには、ポーランドではクリスマスイブのメイン料理は魚らしい。お肉を食べる人もいるだろうけれども、伝統的には鯉を食べると言う。チェコ人の同僚も24日はお肉を食べず、魚を食べるのが伝統といっていた。
フランス人の友達に聞くと、前菜に生牡蠣やフォアグラを食べたり、メインにはガチョウやターキーを焼く人が多いらしい。何より薪の形をしたクリスマスケーキのブッシュドノエルが有名!
イギリスではクリスマス当日に家族が集まり、午後のランチをゆっくりいただくのが一般的。
イギリス人宅ではやっぱりターキーを焼く人が多いと思う。グレイビーソース、クランベリーソースそしてブレッドソースといろんな味でターキーが楽しめる。
私はターキーよりも付け合わせのPigs In Blanketsというソーセージをベーコンで巻いたものや旬の野菜である芽キャベツ、パースニップなどの野菜、ターキーの中につめるスタッフィングが大好き。でもデザートのクリスマスプディングはまだ美味しいいのを食べたことがない。
イギリスの伝統を受け継ぐオーストラリアもクリスマス当日に家族でお祝いをする家庭が多い。
私の夫の家族はもう何年もターキーを焼いていない。真夏日にあたるクリスマスにオーブン料理をするのは暑くてやっていられないからだ。彼の実家は大量の海老、ローストハム、ターキーのハムがメインで、それらをコールスロー、ポテトサラダといろんな種類のサラダと一緒にいただく。
我が家の場合、夫がペスカトリアンなのでターキーを焼いたことはなく、ここ数年は生牡蠣やサーモンやマグロのカルパッチョを前菜にして、そのあとクラムチャウダー、メインはいつも魚料理、すずきか舌ひらめをいただいてきた。ケーキだけはオーストラリアの伝統ケーキであるパブロバを長女に焼いてもらう。
去年に続き今年も夫不在のクリスマス、今年はターキーを初めて焼くつもりだったけれども、「うーんどうしようかな~、ターキーって小さいのでも5キロはするし、買ったら最低3日間は食べ続けなあかんな」
「やっぱりいつも食べてるけれども味では勝るチキンにしとこか、」この会話の繰り返し。
今日中に決めなければ水曜日のマーケットでの引き取りにまに合わない。
それぞれのクリスマス。今年は例年と違うクリスマスを送る人が多いと思う。でもどの人にとっても美味しいものを家族や親しい人といただく平和な1日であってほしい。