大好きなファーマーズマーケット

移動の制限がある今の生活の楽しみといえば、週末に長女と行くファーマーズマーケットへの買い物。大型スーパーとは違って、そこで売っている近隣農家から直送でやってきた野菜や果物はとても新鮮で、見ているだけでも目の保養になる。

まだ少し土が残っている、時には不揃いな野菜には自然の中で陽光をたっぷりと受けて育った元気さを感じることができる。マーケットで買ったレタスでサラダを作ると、スーパーで買ったレタスと違って味、舌触りが違い味が格段に美味しくなるからすごい。

イギリスのスーパーで売ってる、バックに入っていてすでに水洗いされたほうれん草を食べる時、子供の時に感じたほうれん草の独特の苦味は全く感じられない。でもマーケットで買うほうれん草は子供の頃に食べたほうれん草と同じ味がする。

ファーマーズマーケットで買い物をし始めると何が旬で、どんな野菜が近郊で作られていて、どんな野菜が輸入だけに頼っているのかも明白にわかる。今の時期マーケットにはおなすやピーマンなんかはなく、ふんだんにあるのはキャベツ、スイスチャード、ケール。インゲンなんかはほとんどケニアからの輸入品なので、ファーマーズマーケットでは見かける事もない。

5月ごろになるとアスパラガスが、6月に入るとチェリーや苺が顔を見せ始め季節の到来を知らせてくれる。

野外のマーケットで買い物が好きな人は、そこ来ている人たちが作り出すコミュニティー感が好きなはず。毎週顔を合わせる行きつけのお店の人とも、一言二言会話をするようになる上、見知らぬ人から「これどおやって調理するんですか?」なんて聞かれて心がほっこりする事も多い。

日本人の買い物客も時々見かける。「このパースニップで金平作ったら美味しかったわー」なんて会話も聞こえてきて、今度見かけたら他にも調理法を聞いてみよと思ったりもする。

多分そんな日本人の買い物客が一番求めてるのは新鮮なお魚だと勝手に想像する。

通常1店舗しかないお魚屋さんは大人気。11時過ぎなんかにマーケットに着いてしまうとお魚はほとんど売り切れ状態。見たところ10時を過ぎると魚料理をよく知ってそうな若いイタリア人、フランス人、スペイン人ファミリーがマーケットに来だして、いろんな魚を買って帰る。

この間も10時半にマーケットに着いて、魚屋さんを見るとそこにはもう6、7人が並んでいた。並ぶ前にチラッと何が売っているか確認。その時点ではまだムール貝もあさりも充分にあり、あとはたら、平目そしてさば、燻製された魚もあった。さばがお目当ての私は「多分大丈夫だろう!」と思い行列に参加。でも私の前の人の番になるとムール貝もあさりもなく、あるのはたらと二つのさばだけ。

「お母さん、今日はさば買ってよ~」と前にいる娘さんがお母さんにさばを勧めている。

「たのむからさばは買わんとって~、でももしさばが買われへんかったら今日のメニューをかえなあかん。どうしょ~」なんて心の中で呟いていた私。

前にいた人がイタリア人やスペイン人だったらそこで私はさばを諦めていたけれども、そこにいたのはさばの調理はあまりしたことがなさそうなイギリス人女性。ごめん先入観丸出しで申し訳ないけれども、さばを捌けるイギリス人女性にまだあったことがない私は、そこで「彼女はさばを絶対に買わない」という一抹の予感があった。

結局その親子は5分ぐらい考えた後たらを買って帰った。その瞬間私の頭の中で「今夜はしめさばが作れるやったー」と大喜び。

これも子供の頃と同じ。買い物に行くまで何があるかわからない。「今日は何あるん?」ってのり。

あと最近、きのこ類ではなめこに人気が出てきている。お店の人に「これは英語名はなんですか?」と聞けばNamekoというので、椎茸やしめじ同様なめこにも日本語名がつけられている。どうやらラーメンを作る時になめこを入れる人が増えているらしい。「他にもなめこのレシピがあったら教えてください」と頼まれた。

レストランに行けない今、おうちご飯を豊かにしている人が多いんかな? マーケットで買ったチキンで我が家は今夜、イギリスらしくローストチキンを作る予定。今唯一の楽しみ、ファーマーズマーケットありがとう!

マーケットで買った小さな紫のお花

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