昨日はアイルランドの守護聖人パトリックを祝うセント・パトリックデー。
私が働く学校でも朝の朝礼で、セント・パトリックについて学び、私のクラスの担任はアイルランド人のハーフなので、子供達からHappy St Patrick’s Dayのカードをもらっていた。
アイルランド。私の夫の先祖は父、母方両方ともアイルランド出身なので、私たち家族にとってもアイルランドは親近感のある国。現に私の今の苗字はアイルランドの苗字。
長い間アイルランドは、イギリスの統治下にあり、その経済は停滞したままだった。そこに追い討ちをかけるように1845年から1851年までポテト飢饉が発生して、800万いた人口の25%が亡くなり、更に人口の25%がイギリス、アメリカそしてオーストラリアに移民していったので、1911年には人口は440万人以下まで減少したと言う。
義父の祖父はまだ11歳の時、アイルランドから単身オーストラリアに渡った。食べ物もなく11歳の少年はどんな思いで、1人で船に乗ったんだろう。彼は自分の幼少の頃の話を自分の子供にも話さなかったらしい。
昔ダブリンの空港でアンケート調査を受け、その中にアイルランドに親戚がいるかどうかという質問があった。「オーストラリア人の夫の先祖はほとんどアイルランド人です。」と答えると「あまりに多くのアイルランド人が他国に移民していったので、この国と縁がある人は世界中に存在していますよ」とその人が言っていたのを思い出す。
確かにイギリスで生活していると、どの人も必ずアイルランド人には出会うはず。
アイルランドと言えば、朗らかな国民性、ギネスビール、アイルランド人の前身であるケルト民族、それにまつわる妖精民話、アイルランド音楽にアイリッシュダンス、詩人のイェーツ、作家のオスカー・ワイルド、ポテト料理、ラグビーなどが連想される。
ダブリンに住むアイルランド人の友人Tを訪ねた時の事、1週間の滞在期間中毎日ポテト料理を作ってもらった思い出がある。ポテトスープ、ポテトパン、ローストポテト、マシュポテト、ポテトサラダそしてポテトチップ。アイルランドはポテトが大好きだと言うけれど、ほんとにポテト料理のオンパレードでもてなしてもらった。
昨日のセント・パトリックデー、この日のお祝いには多くのアイルランド人の家庭でアイリッシュシチューやもう一つの伝統料理であるゆで豚とキャベツが作られた事と思う。
英語で言うとBoiled Bacon and Cabbageは、ベーコンというものの使われるのは豚肉のロースか豚肩肉。スモークされたハムを使う人もいるらしい。それをゆでた春キャベツと共にクリームとパセリを加えたベシャメルソースをかけていただく。
アイルランド人の同僚は「アイルランド料理を友達にご馳走する時は必ずこの料理を作る」と言っていた。春キャベツが美味しい今、「私も作ってみようかな?」と彼女にいうと「デザートにアップルパイとクリームを、それからアイリッシュコーヒーも忘れないで」と言う。
そうや、ウイスキーの入るアイリッシュコーヒーは日本でもよく知られている。
今や世界各地でお祝いされているセント・パトリックデー、昨夜は夫のご先祖様にHappy St Patrick’s Dayと挨拶して眠りについた。