最近同僚2人がママになった。2人とも人生経験が豊富で、精神状態もとても安定している30代半ばでのお産で、パートナー、家族と共に心の底から赤ちゃんの誕生を喜んでいる。
現に赤ちゃんが生まれてからは「もう自分の赤ちゃんが可愛くてたまらない。一日中ずっと赤ちゃんの顔をながめている状態」とめちゃくちゃ幸せそうで、それを聞く私も嬉しくなってくるぐらい。
今のところ彼女たちは9ヶ月間の産休を取る予定で、来学期の終盤12月のはじめ頃には職場復帰を目指している。
「9ヶ月の赤ちゃんは可愛い盛り。そこで職場復帰するのは難しいやろうね」と話しながらも2人とも職場では役職についているので「9ヶ月以上の産休を取るのは難しい」と言っている。
彼女たちがフルタイムで働くためには、赤ちゃんのお世話をフルタイムでしてくれる人を雇うか、赤ちゃんでも預かってくれる保育園を探さないといけない、それでも9ヶ月の赤ちゃんを預かってくれるような託児所は限られているはず。
幸運にも親が近くに住んでいて育児を協力してもらえたりしたり、パートナーの仕事がフレキシブルで育児をちゃんと分担できるのならまだいいが、フルタイムのナニーを雇うとなると月に2000ポンド(日本円で約30万円)は給料として支払わなくてはならず、自分の給料のほとんどをその為に使うことになる。
2年前も仲良しの同僚が出産し、5ヶ月間の産休のあと結局仕事を辞める決断を下した。
収入はめちゃくちゃ減るけれども、やっぱりせめて子供がもう少し大きくなるまでは家にいて子供を育てたいと言う気持ちがあったのと、現実にそれが可能な経済状態にあったからくだせた決断だ。
最近母になった同僚の目標はいつの日か校長になる事。彼女はそのためにずっと頑張ってきて今では役職についている。「本音を言うとはしばらくはパートタイムで働くのが理想やけれども、一度パートタイムになるとフルタイムで要職に戻るのは難しいから、今のところは今年の12月には職場に戻ってこないと」言っている。
やっぱり女性が子育てと仕事の両立をするのはまだまだいろんな困難がともなって難しい。
ニュージーランドの国会議員が自分の赤ちゃんを議会に連れてきて授乳している映像を見た事があるけれども、これができる職場はまだまだ少ない、と言うか私の周りでは聞いたことがない。
皮肉な事に私たちが働く学校は女子校。その子達の未来がもっと働きやすい社会になってるように今から学校が率先して模範を示していかないと。幼い子供がいるスタッフには役職についていようとフレキシブルな時間帯で働けるようにするとか、産休の期間を伸ばすとか!じゃないといつまでたっても子を持つ女性が仕事を続けるには犠牲を払うことが多すぎる。
いずれにしろ、一番大事なのは子供を持つ女性に選択権がある事。そのためには国をあげて子育て支援ができてないとね。国家は未来の労働力を確保しておかないといけないんだからいっそのこと「子育てをしているお母さん、ありがとうございます。国が支援しますから安心して子育てに専念してください」と支援金を払ってほしいと思う。
とにかく同僚がしばらくは仕事のことを考えず、赤ちゃんとの時間を楽しく過ごせることを心から願っている。