今週は私が働く学校の5,6年生のSchool Play, 演劇発表会があった。日本語の発表会はこの場合英語ではSchool Playと表現する。でもこの語彙の違いからはかなり違った印象を受ける。
シェークスピアを生み出した英国ではDrama、演劇文化はかなり高く評価されていて、学校によっては幼少時から演劇の授業Dramaが教えられたり、たとえ小学校の劇の上演であっても音楽、小道具、舞台演出、衣装、ヘア、メイクとかなり本格的にこだわりを持って行われることが多い。
視聴者の中には時々親の知り合いのキャストエイジェントがいたりすることもある。友人の子供のSchool Playにもキャストエイジェントが見にきていて、子供の一人が幼少時のハリーポッター役としてスカウトされ、最終的に映画ハリーポッターに出演した事もある。
現に私の友人Sの息子も彼のSchool Playをみていたエイジェントが、友人の息子に映画「ナニーマックフィーの魔法のステッキ」のサイモン役にオーディションするように強く勧めた。結局友人の息子は最終オーディションで落ちてしまったけれども、友人の息子と競ってサイモン役に抜擢されたトーマス・サングスターはそれ以後大スターになっていった事と、私の友人の息子が子供の時の俳優トーマスに瓜二つの顔をしていたのを今でも覚えてる。
娘達の友人、知り合いの中にも大きな映画、テレビドラマ、ミュージカルにでた子が何人かいる。その中の一人は今や大女優に成長。School Playというものの将来の仕事につながるケースがあるから、好きで才能のある子供達には大切な経験だ。
演劇に力を入れている学校のSchool Playにキャストエイジェントがスカウト目的に来るのは知られている事実。私の学校でも上演前にDramaの先生が「女優になるきっかけが来るかもしれないからみんなベストの演技をしてね」と子供達に激励したいた。
でも教科としてのDramaはかなり難しい。私の娘達は二人ともGCSEでDramaを選択したけれども、国語であるEnglishとはまた全然違った観点から批判、分析力をつけて論文を書かなければならないので、それに費やす勉強時間がかかり、いくら演技が好きと言ってもそれだけで軽々しく選択する教科ではないとつくづく感じた。
とにかく私の学校もDramaに力を入れており、自治体が運営している地域の劇場を借りて子供達は2日間ミュージカル、オリバーを熱演し、私もメイク担当として参加した。
いつも感心するのは、リハーサル中に「この子は大丈夫かいな?」と思わせる子が本番では熱演できたり、ほとんどマイナーな役まわりの子供に限って「あんたそこまでメイクにこだわらんでいいよー」と思わすぐらい「とれそうだからもっと口紅を塗ってー」と何回も言いに来るから面白い。
でも二日間、四回の上演から得られたものはすごく大きく、最後の上演時の子供達の瞳は輝いており、私も熱い思いと素晴らしい時間を共有させてもらった。
これを機に女優を目指していく子はいるんかな? 確かにすごく輝くものを持っている子が一人いるので、私は今から彼女の将来にひっそりと期待している!!