ポルトガルに住みはじめた次女に会いにリスボンにやってきた。EU諸国の中でも決して豊かだとは言えない国ポルトガルだけれども、リスボンは異国人の目にはノスタルジックに映る少しさびれた美しさが至るところにあるきれいな街。
特に白地と青のタイル( Azulejos )で覆われた建物、細長い路地裏にあるカフェやレストラン、そこを通る路面電車、石畳と坂道と見ているとなぜか幼い頃を思い出してしまう懐かしさがある。見ていた世界は別なのにリスボンの生活の匂い、音、色が私の幼少の頃のような気がするくるから不思議。
今の日本、日本人にとってはポルトガルはあまり馴染みのない国だけれども、16世紀の日本にとってポルトガルはとても大切な国で、南蛮人と呼ばれていたポルトガル人達は日本に西洋文化を伝え、少なくとも食文化においては日本に彼らの足跡を残していった。揚げ物をお酢のきいたソースに漬ける南蛮焼きに今や日本食の代表のような天ぷらも、日本のカステラもポルトガルのパオン・デ・ローが原型だと言われている。
ポルトガルは伝統菓子の種類がとても豊富でそれだけを食べ歩きしても面白い旅になるはず。
特に有名なのがパリパリのパイ生地の中にカスタードが入ったパステイシュ・デ・ナタ。
今ではロンドンのカフェでも売られているパステイシュだけれども、本家本元であるリスボン西部ベレンにあるジェロニモス修道院生まれの味を引き継ぐパステイシュ・デ・ベレンで作られる物は格別の味。そこに行くといつも行列ができているほどの人気でリスボン観光名所の一つにもなっている。
レストランや食堂で食べられるポルトガル料理はいわし、たら、あじ、たい、すずき、サーモンなどの焼魚や豚肉、牛肉、鶏肉のグリルやローストのほかポルトガルの代表料理であるたらのロースト、たら、じゃがいも、卵のミックス焼きとシンプルなものが多いけれども、豊かな素材に恵まれているポルトガルでは魚介、お肉、野菜、ワインと本当に何を食べても美味しいからすごい。時々歩いているとどこかからただよってくるいわしの炭火焼きの匂い、これに出会うともうたまらん!!
通常魚には茹でたじゃがいも、お肉にはポテトフライが付けわせてくるが、それ以外にライスが付いてくる事も多いのでお米好きの日本人にはめちゃくちゃありがたい。
とにかく今回は自炊をしている次女が普段は口にしていないような郷土料理を食べさせたいと思いインターネットで調べてレストランに行ったのでリスボン滞在中に口にした食べた物は全てが美味しかった。
次女が住んでいるエリアParqueはとても治安が良く静かな所。それでも道の角ごとにカフェやレストランがありSushiレストランもいくつか見かけたし、誰が買うのか日本食を扱っている食材店も見かけた。でも日本食全体よりもお寿司だけが先行しているみたいだ。日本食レストランはまだまだ高価なんだろう。
多分もうしばらくしたらここにもラーメン専門店ができてくるんかな?バブルティー店も北欧のデンマーク風カフェもちらほら見かけたからラーメン店ができるのも時間の問題だろう。
でもまだまだホームシックになる日が多い娘が、行こうと思えばこれらの日本料理が食べられる環境にある事が母としてはとてもありがたい。