先月は家族でポルトガル北部を旅行した。
この旅行のハイライトのひとつがポートのワイナリーに行って、いろんなポートの飲み比べをした事。
ポートと言えば今まではクリスマス時期にいただく、芳醇なレッドポートしか知らなかったけれども、ある日夫がスーパーでキャンペーン中のホワイトポートを買ってきて以来、我が家ではホワイトポートとトニックウオーターをよく飲むようになった。
私的にはジンアンドトニック、アペレルとプロセッコで作るアペレルスプラッツよりもホワイトポートとトニックの方が喉あたりがいい気がする。特に夏の夕方にいただくのが最高!
本家ポルトガルでは一般に赤のポートは食後酒として、白は食前酒として飲まれるのが一般的らしい。
まだ糖分が残っている発酵途中に、アルコール度数77度のブランデーを加えて発酵を止め、その後樽の中で最低3年間熟成されるのがポート。これによって独特の甘みとコクが生まれる。
ポートが造られるのはポルトガル北部、ドウロ川上流のポートの法定区域。そこで栽培された葡萄を原料とした、酒精強化ワインのみにポートワインの商標が認められているらしい。
先週ワインを扱っている会社で働いている人と話をする機会があって、その人にいろいろポートの事を教わった。その人が言うところ、ポートのような酒精強化ワインの多くは複数の年のワインを混ぜる事が多く、そんなポートには収穫年表示がされないが、単一の葡萄で造られるポートはヴィンテージとして収穫年が表示されるそう、そしてヴィンテージポートの美味しさは格別だとか!
面白いことにポートワインの歴史にはイングランドが関係する。ポートのメーカーにはTaylor, Graham, Sandeman, Cockburn, Dow, Offleyなどの英語名がとても多い。実際これらのポートはポルトガルに渡ったイギリス人によって造られた。
Taylorの創立者は1692年にポルトガルに渡ったイングランド人、Grahamの創立者もポルトガルで商取引をしていたイングランド人の兄弟で、1820年にGrahamを創立した。
ポルトガルとイングランドの関係は深く、1386年には当時のポルトガル王国とイングランド王国はウインザー条約という同盟関係を結び、両国は軍事的、政治的、商業的に親密な関係にあり、これ以来2カ国間の交流はずっと続いた。
そしてイギリスとフランスが戦争中、フランス産のワインが手に入らなくなったイングランドのワイン商人はこれに代用するワインとしてポートワインを選ぶ。
1703年にはポルトガルとイングランドの商人は新たに特別な権利と優遇された関税を認められ、これによって大量のポートがイギリスに輸出されたらしい。
ポルトの街ではポートワインの試飲ができる店が多く、他の旅行者と同様私たち家族もポートの飲み比べを楽しんだ。アルコールに弱い私だけれども、ポートなら飲めるから不思議。
そお言えば昔、日本でも赤玉ポートワインが流行った時があった。当時赤玉ポートワインには全然興味がなかったけれども、サントリーかどこかの人気商品だった記憶はある。
日本でもホワイトポートは知る人は知る飲み物なんだろうか?必ずいつかは人気商品になる気がする、いや期待してる!