7月7日、英国首相Boris Johnsonが辞任を表明した。
我が夫はBorisの事をナルシストと呼び、Borisが大嫌いだ。まだBorisがロンドン市長だった頃から「Borisは自画自賛ばっかりして、絶対にいつか首相になるつもりや、もしこいつが英国の首相になったら、僕はこの国から出ていく!」と宣言してきた。
Borisが正式にイギリスの首相になったのは2019年7月24日、そして翌月の8月30日に夫は仕事の為にオーストラリア、キャンベラに行く事になりロンドンを去っていった。
この間の3年間、世界はコロナという新しい問題に直面し、世の中がどんどん変わりはじめた。
そして約3年と言う時間が過ぎ、夫の仕事も契約が完了して、7月6日に夫はロンドンに戻ってきた。
翌日家族間でやっているラインのメッセージを見ると、長女が「パパ、マジックパワーを使ったん、パパが帰ってきたからBorisがやめたやん」夫は「そうや自分のマジックパワーでやつをやめさせたんや~」とBoris Johnsonの辞任のニュースを聞いて私の家族は大興奮。そのやりとりはその後42通も続いて、仕事の合間合間に読みながらも私は大笑いさせてもらった。我が夫はかねてから宣言したとおり、Borisが去ったのでロンドンに戻ってきた。
コロナ禍、国民に室内での人との接触を自粛しろと言い続けてきたBoris、でも彼自身は政府機関で何度かパーティーをひらいて参加していた。これが見つかっても辞任は頑なに拒否し続けてきたBorisだけども、さすがに先日重要閣僚が相次ぎ辞任し、党内部からの退陣圧力が高まったことで今回の辞任につながった。
Borisは国民に好かれたい気持ちが異常に強い政治家。おそらく目の前にいて一緒に話をしていたら彼に好感をもってしまうかもしれない。でもBorisの政策をよく知っている長女や夫からしたら彼の政策は受け入れられないらしい。
長女の友人の父親は、保守党の政治家でBoris Johnsonの高校、大学時代からの友人。その人物でさえ6月にBorisに抗議して辞任した。
名門校であるイートン校、オックスフォード大学を卒業したBoris、オックスフォードでは特権階級だけが入れるエリートクラブ、ブリンドンクラブに所属していた。Boris的には常に、まあいいか、今回も大丈夫やろ的な、自分には権利がある気持ちがすごくあったんじゃないだろうか。
彼の先祖を見ていると、イギリスの国王 George2世、オスマントルコの内務大臣だったAli Kemal、YMCAの創設者George Williamsと歴史的に名を馳せた人物がいる。英国の特権階級に属し、恵まれた環境の中で育ったBorisには一般国民の生活を真に理解する事ができなかったんだろうし、理解しようとも思ってなかったんじゃないだろうか。
この先Borisはどんな仕事を選んでいくかしれないが、彼の事だからテレビに出演したりと相変わらず世間を騒がすような存在でいるに違いない。過去には英国の大人気番組でケーキ作りの名人を選ぶThe Great British Bake Offに出演したいと言っていた事もある。
政治家として生きていくよりも、世間に好かれるコメンテイターやセレブリティーとしてい生きる方がナルシストの彼にはあってるかもしれない。
とにかくBorisが去り、我が家に夫がイギリスに戻ってきた。また一つの新しい時代が始まろとしている。