昨夜は至るところで、花火や爆竹の音が鳴り響いていた。
そうや、ヒンズー教徒の新年を祝うお祭り、Diwali(ディワリ)や。
でも今年はいつもよりも多くの爆竹音が聞こえてくる。
今週はハーフターム中で学校が中休みだから、子供達も遅くまで起きているからか、インド人がたくさん近くに引越ししてきたからかなと考えながらハッと思い立った。
昨日、イギリス保守党の党首に英国初、42歳と言う若さでインド系のRishi Sunakが選ばれ、今日10月25日、彼は正式に英国の首相に就任された。昨夜のディワリは、インド人コミュニティーにとっては二重の喜びがあったんじゃないかな?
Rishiの祖父母はインドのパンジャーブ生まれ、Rishiのお父さんはケニアで生まれたインド人、お母さんもタンザニアで生まれたインド人、祖父母は1960年代にイギリスに移民してきたので、Rishiはイギリスで生まれ育った、ヒンズー教徒だ。
インドがイギリスの植民地であった史実を考えれば、今Rishiがかつての宗主国であるイギリスの首相に就任した事は、特に高齢のインド人移民の方々にとっては感慨深いものがあるに違いない。
確かに移民と言っても、Rishiのお父さんは医師で、お母さんは薬剤師。彼はオックフフォード大学、スタンフォード大学を出て、エリート街道を歩き、インドの大富豪の娘さんと結婚したので、とても恵まれた環境で生きてきた。
それでも、努力して勉強をしてきたら、移民の子供でも首相になれる事実、いろんな信仰、民族的背景を持つ人々が、国家の最高役職につけるという事実は、今いる移民の子供達に希望を与えることになるんじゃないだろうか。
おりしも今日はUCL大学に通う、次女のドラマのショーケースの日。今回のキャスティングはBAMEと言って、Black,Asian,Minority,Ethnicに限定されていた。ロンドンの多人種、多国籍社会で生まれ育った娘には、自分はBAMEという意識はあまりない。でもこうして出演者がBAMEだけと限定されれば、選ばれるチャンスがあるという事になるので有難いのも事実。
昔はイギリスの演劇やミュージカルの世界は、白人が主体の世界だった。東洋人がイギリスで女優になりたければ、東洋人の役しか回ってこなかった。
けれども今ではカラーブラインド、ジェンダーブラインドキャスティングと言って、人種や肌の色、性別を問わずに出演者を選ぶ作品も増えてきて、時代劇など、脚本はイギリス人の白人であっても、アジアやアフリカ系の俳優、女優が出演している作品もある。
こおやって社会はますます多様性を重じ、いろんなところで人種構成の多様化が進んできている。
Rishiがどんな政策を生み出すのか、まだわからないけれども、私は少し彼に期待していたい。