それぞれの戴冠式

この週末、英国ではチャールズ3世の戴冠式が行われた。土曜日が戴冠式、日曜日はストリートパーティー、祝日である月曜日は、コミュニティーでのボランティア活動が奨励されていた。

土曜日は、歴史的瞬間をひとめ見たいと、国内外問わず多くの人がロンドン市内にやってきて(なぜかアメリカ人が多い気がする)朝早くからパレードが通る沿道に並んでいた。

ヨークシャー出身の長女の友人も「今までは全ての出来事をテレビで見てきたけれども、首都に住む今はどんなイベントも逃さない」と張り切って、バッキンガム宮殿近くにかり出していた。

私はというと、天候も悪いし、自宅のテレビで戴冠式を見る事に決めた。国王になる儀式を見たいと言うよりも、誰がゲストとしてきてるのか、ハリー王子は大丈夫かとかミーハーなノリでのテレビ観賞。

ちなみに王政反対のオーストラリア人の夫は、頑として戴冠式を見ることを拒否。雨にも関わらず買い物に出かけていった。

この日、王政反対、共和政支持者はデモをしていて、何人かは逮捕もされていた。プラカードだけを持つ、静かなデモにもかかわらず、逮捕者がでた事に今疑問の声が上がっている。

王室が必要かどうか、これに対しては千差万別の意見がある。

戴冠式に割り当てられた莫大な費用(税金)を、医療関係者の給料にあてるべきと言う正論もある。確かに王族はみんな資産家なので、せめて戴冠式にかかる費用の半分ぐらいは払う事も容易にできたはず。でも伝統を重んじる人々にとっては、こんな提案は受け入れられない。

私としては、自分自身が選挙で選んでない、国民の意見を聞こうとしない政治家が自分の国の頭になるよりも、皇族、王族が象徴として国の頭でいる方がいい。チャールズ国王は、環境問題にも関心があり、いろんな意識が高い人で、国民感情を気にかけている人に見えるし、いい人との印象をうける。戴冠式前日の金曜日には「今週末は戴冠式を楽しんでください」と国王直々、ロンドン地下鉄でアナウンスをした。これってなんかとっても微笑ましい。

ただ、ダイアナ妃がいるにもかかわらず、カミラ夫人とずっと不倫関係にあった事を決して受入られない人がいるのも事実。「カミラが女王と呼ばれるのは許せない」なんて言う人も多く、私の同僚の中にも、カミラ夫人大嫌い人間がいる。

私としては、確かにダイアナ妃には気の毒だけれども、チャールズ国王とカミラ夫人は昔からずーっと好き同士で、そんな事実の中で、王室のしきたりのせいで2人が結婚できなかった事が、悲劇の始まりだったように思う。女王に任命された夫人と並び、チャールズ国王はすごく嬉しそうな表情をしていた。

日曜日はいろんなところでストリートパーティーが開かれていた。私は友人と集まり、夜一緒に食事をした。ストリートパーティーに参加している友達の写真を見ると、コンサートに使われるような大きなスピーカーで音楽をながし、路上ディスコパーティー状態になっていた。

でもほどんどの人は王政がどうのこうのと言うよりも、休みが1日増えた事に感謝しているはず。戴冠式を祝う為のストリートパーティーと言うよりも、みんな隣人や友人と楽しいひと時を過ごせるのが嬉しいはず!

今日はいろんなところで、地域のコミュニティーでボランティア活動を奨励していた。

私が働く学校でも「月曜日はなんでもいいからボランティア活動をしてください」と子供達だけでなく、父兄、卒業生までにも呼びかけてた。私は友人と公園に行って、ゴミ拾いをする予定だったけれども、最終的には断念。どれぐらいの人が本当にボランティア活動をしたかはわからないけれども、祝日に人助けを奨励するのが、なんともイギリスらしい。

みんなどんな思いを持っていたにせよ、それぞれの戴冠式ウイークエンドを楽しんでいたはず。

先週のメーデーの祝日に続き、3日間のおやすみは本当に有難い!

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