今、フランスではラグビーワールドカップが開催されて盛り上がっている。残念ながら地元フランスはラグビー強豪国である南アフリカに敗れてしまったけれども、フランス人観戦客の熱い思いはテレビを通じても感じられ、その試合を見ていた南アフリカ人の友人でさえ「なんか悲しい」と言っていた。
2019年に日本で開催されてラグビーワールドカップは大成功だったと聞く。
スポーツの国際試合開催は開催地に経済的にも、心情的にも、平凡になりがちな日常を盛り上げてくれる。
先週は日本ーアルゼンチン戦が行われた。いつもは自宅でラグビー観戦をしている夫は、この日の試合を、長女と学生時代ずっとラグビー選手だった娘の彼氏、彼氏のご両親と一緒にパブに試合を観に行った。
日本は負けたけれども、いい試合を観れた夫は「パブの一角はアルゼンチン人のサポーターがいたけれども、ほとんどの人は日本を応援してたで、めっちゃいい試合やった」と嬉しそうな顔をしながら家に戻ってきた。 私は自宅で片付けをしながら時々試合を観ていたが、それでもアルゼンチンが点をとれば、また日本も取り返すと言う試合で、現地の人が盛り上がっているのがよく感じられた。
ラグビー、1823年にイギリスの名門校ラグビーで、サッカーの試合中に選手がボールを手に持ってゴールに走ってしまった事が元でラグビーが誕生したと言われている。
私の弟は昔ラグビーをしていたし、母はラグビーテレビ観戦が大好きだった。弟の経営するお店にはプロのラグビー選手がよくきてくださると言う。長女は大学で男女混合のラグビーチームに入っていたし、我が夫は大のラグビーフアンで、ほとんどの国際試合は見れる限り自宅でラグビー観戦をしている。
だから私にとってラグビーはとても身近に感じるスポーツ。
でもイギリスで誰もがラグビーを見るかとうと、決してそうではない。
オーストラリアではラグビーは誰もが見る、庶民のスポーツだけれども、イギリスでラグビーが好きな人は、学生時代にラグビーをしていた人達や、家族や友人がラグビーをしていた人、短絡的に言えば私立の学校で教育を受けた人達に多い。
もちろん全部が全部とは言えないけれども、イギリスの学校で教えられているスポーツは、ラグビーがプレイできるだけのフィールドがあるイギリス北部やウエールズの除けば、私立の学校ではラグビー、スペースに限界がある公立の学校ではサッカーに力をいれている傾向があるからかもしれない。
イギリスでは、テニスのウインブルドン観戦客がお洒落で、お金持ちそうな人が多いのと同じで、各スポーツと社会階層に関連性が見られる。インド人の誰もが愛するクリケットも、イギリスではどちらかと言えば中流階級と認識されている人達に支持されているようだし、アメリカでは人気のラクロスをイギリスで教えているのはほとんどが私立の学校と聞く。
面白いのはスポーツ観戦に力を入れているパブでも、ラグビーの時間帯、サッカーの時間帯、クリケットの時間帯、また別のスポーツの時間帯があり、それぞれが好きなスポーツを見に、各フアンが入れ替えたちかえやってくる。
ラグビーの試合が見れるかを、あらかじめ事前にパブに電話をして行った夫が「ラグビーを見てたら途中からサッカーフアンが多くやってきて、チャンネルをサッカーに変えられた」と文句を言いながら帰ってきた事があり、パブでラグビー試合を見たい時はラグビー観戦を優先しているパブを探してから出かけていく。しかもスクリーンが大きいかどうかも確認していくから、なんか笑わせる!
それでも、人それぞれ好みのスポーツがあっても、大きな国際試合の準決勝に自国が出るとなれば、誰もが少しは応援してみようと思うんでは?
今週末に行われるイギリスと南アフリカ戦、この国ではこれは盛り上がりそうや!