とうとう今年も12月に突入。1日は朝、職場(小学校)につくとクリスマスソングがかかっていた。ちょっと前から街角ではクリスマスツリーが売りだされ、スーパーに行くとポインセチア、クリスマスカード、クリスマスパーティー用の食べ物が売られ、この時期限定の殻付きナッツが店頭に並びだす。
クリスマスマーケットも出現して、ホットチョコレート、モルドワインの匂いにひかれ、仲良く並べられたジンジャーブレッドマンにもお目にかかる。
12月はクリスマス前のワクワク感で満ちている。
子供の頃実家のクリスマスツリーにかかるライトのピンク、紫、青色が点滅する様をずっと見つめながら、異空間感を少しばかり楽しんでいた私。私にとってのクリスマスは、25日の朝枕元に置いてあるサンタさんからのプレゼントを開ける事、不二家のぺこちゃんの長靴に入ったチョコレートやお菓子、クリスマスケーキを食べる事だった。それでもそこには何か特別なものがある事は感じていた。
ロンドンの小学校にとってのクリスマスは、まずはNativity Play 、キリスト降誕劇。11月中旬から日々リハーサルをおこなって、12月12日に親にお披露目する。数年前までは、Nativity Playと言えば宗教の授業の一環として、伝統的なクリスマスソングを歌って、キリスト降誕を演じていた。
でも最近は、宗教的な意味合いが薄まり、少しポップにアレンジされたクリスマスソングを歌い、ローマ兵やシーザーなんかが登場する台本で演出される。
Nativity Playはキリストの生誕を祝う劇だから、時々イスラム教徒の親は子供のNativity Playへの参加を認めないこともある。でも今年一番上手に熱意を持ってクリスマスソングを歌っているのは、イスラム教徒のカタール人の児童、なんか見ていて微笑ましい。
次にNativity Playと同様に大事なクリスマス行事、Carol Service、クリスマスのミサが行われる。
これは中高生、父兄も一緒に近くの教会で、賛美歌を歌い、キリスト生誕にちなんだ聖書の朗読をして、とても厳かに行われる。イギリスでは必ずクリスマスの賛美歌と言えば、Once in Royal David’s Cityで始まり、Hark! The Herald Angels Singで締めくくられる。キリスト教徒でない私や友人たちも、長年イギリスにいるとクリスマスのミサを歌う事が楽しみになってきているほどで、これも12月の楽しみの一つだ。
時には児童を連れて、病院にクリスマスの賛美歌を歌いに行き募金活動をする事もある。
私はクリスマス前には娘達と一緒に近くの教会に賛美歌を歌いに行く。キリストの生誕に想いを馳せる訳ではないけれども、賛美歌を歌っていると心が綺麗に洗われていくようで、ヒーリングがされているようで気持ちがいい。
次に子供もスタッフもクリスマスジャンパーを着て、クリスマスランチをいただく。
今までは伝統的クリスマスランチ、ターキー、ソーセージ、詰め物、ポテト、人参、パースニップのローストに芽キャベツだったけれども、両親の大半が外国人の子供達にはこのイギリス的クリスマスランチは不人気で、今年はソーセージは残るけれどもピクニックランチのメニューに変更されるそう。これには大人達はがっかり!
そしてNativity,Christmas Carol,クリスマスランチが終われば、我が校では、全児童を連れてイギリス12月の恒例行事である、パントを観にいく。
パントとはパントマイムの事で、16世期にイタリアで誕生した即興喜劇が元になっている。
ピーターパン、アラジン、ジャックと豆の木、眠れむ森の美女などの童話をベースに、大袈裟な衣装を身に包んだ俳優が登場し、必ず悪役が出て、観客も参加するドタバタ劇がパント。
悪役が登場するたびにみんなでブーイングしたり、そこにいるでーと大声で叫んだりする。時には大人のジョークが飛んで、これ言っていいの?と思わせるが、子供の頭を素通りして、みんなが笑っているのがまた面白い。
時には悪役を怖がる子供もいて、スタッフはそんな子供をあやしながらも楽しんでパントを観ている。
パントで大笑いした翌日が今学期の最終日となる。
冬休みに入った子供達にはまだまだ12月恒例の催し物が待っている。ラッキーな子達はバレエのくるみ割り人形やスノーマンの劇を観に連れていってもらったり、クリスマスマーケットに連れて行ってもらってアイススケートをしたり、サンタさんと写真をとったりと楽しみがいっぱいだ。
大人は大人で、友人とパーテイーをしたり、プレゼント交換をしたり、この時期ならではの映画Love Actuallyを見たり、やはりこの時期ならではのミンスパイやモルドワインを頂いたりと、子供と同じように楽しんでいる。
あー素晴らしい12月よ、どうかどの人にとっても楽しい月でありますように!