ロンドンは多民族、多国籍都市とわかっているつもりでも、時々ロンドンの移民の多さを痛感する事がある。
私も、オーストラリア人の夫も移民。私が住んでいる地域も、お隣さんもいろんな国から来て外国人が共存しているのがロンドン。その上世界各国からの観光客が日々訪れるので、ロンドンの町中は世界中の人々で混ざり合っている。
それでも各コミュニティーが集まるエリアがあって、そこにいくとスリランカ人、インド人、ポルトガル人、フランス人、ルーマニア人、ブラジル人が多いといった光景が見られたりもする。
最近行ったロンドン北西部のWembleyはインド、パキスタン、バングラデシュ、スリランカ人コミュニティーのコミュニティーがあり、しばしミニインドと呼ばれている。
モスクも近くにあった為か民族衣装を身に包んだ人々が通りを行き来していたし、街にはインドやスリランカの結婚式用のドレスを売るお店、結婚式用のジュエリーを売るお店、インドの食料品店、インド甘党やさん、南インドのレストランが溢れている。まるでインドの街角をそのまま移動させてきたようで、そこにいるとインドに来た気分にさせてくれる。
これを見ると本当にロンドンと言う街、イギリスの懐の大きさに感心させられる。
よくもこんなに多くの外国人を受け入れてきたもんや!
イギリス人と会いたかったらロンドンを離れて郊外、田舎に行かないと曽祖父、母の時代からイギリス人の人達とはロンドンではなかなか出会わないと言われる。
ロンドンではイギリス人であってもパートナーが外国籍、または親が外国籍で本人は英国生まれのイギリス人といった人が多く、誰かしらどこかの外国と繋がりのある人が多く、イギリスのパスポートを持っていても自分はイギリス人と認識していない人もいて、何を持ってイギリス人と認識するかは人によって違う。
もちろん移民がやってくるのを反対している人達も多い。特に不法に入国してくる人々が後を絶たない今、移民そのものよりも、政府の移民対策に対して不満を募らせる人が多いのも事実だ。
確かにこんなに多くの移民の人達を見たら、みんなどうやって居住許可を得たんかと不思議に思ってしまう。イギリスで正規に居住可能なビザを所得するのは超難関だからだ。
最近では不法に英国に入国し、難民認定を申請しようとする人達をアフリカのルワンダに強制的に移送する為の法案が英国議会で可決され、この夏頃から本格的に移送が始まるという。
残念ながら今、日本の埼玉県川口市ではクルド人問題というのが存在する。今朝もYou Tubeを見ていると警察官を暴行するクルド人というタイトルの動画を目にした。
イラク、トルコ、シリア、イランに少数民族として住むクルド人は国家を持たない。日本在住のクルド人のほとんどはトルコ国籍で、彼らはトルコ政府から迫害を受けてきたと日本で難民申請をしているらしい。
30年ほど前、トルコのクルド人移住地域をバスで旅をしていると、何度もトルコ軍がバスを止め、クルド人の風貌をした人はみんなバスから下ろされ、身体検査を受けているのを目にしてきた。
1日も早く日本政府は移民政策を改善しないと、外国人居住者、旅行者が増えた日本が移民嫌いの国になり、移民の子供達が日本社会の一員になり辛くなってしまう。
折しも、今日はイラクのクルド料理のレストランに行ってきた。
このクルドレストランでは、ケバブとライスを注文するだけで、サービスで豆とターメリックのスープ、ホムス、サラダ各種、パン、オクラ、豆のシチューが一緒についてきて、食べ応えたっぷり。
クルド料理をいただきながら、国家を持たない、持てない民族の事を思った。
日本でもクルド料理を楽しめる環境がいつかは整うんだろうか?
移民問題は本当に難しい。
だからこそ私は日々外国人としてロンドンで平和に生活できている事をイギリス社会に感謝している。