娘の独立

2週間前の日曜日に、長女が実家を離れて新居に引っ越して行った。

もう25歳の大人であるから、英国社会の中ではかなり遅めの独立になる。

長女は高校卒業後、1年間はギャップイヤーを取って半年旅に出て、その後大学に入って親元を離れたものの、3年生の春にロックダウンになり実家に戻ってきた。コロナ禍の3年間は夫がオーストラリア、次女が9ヶ月間ポルトガルにいた事もあり、私と長女は一緒に暮らしていた。

大学も卒業して、仕事も順調にいき、また素敵なボーイフレンドがいる今は「大人の生活を充分楽しみたいからそろそろ家を出るで」と本人も新しい生活を楽しみにし、私たちも心の準備をして彼女の独立を応援していた。

けれども、いざ出て行ったらやっぱり淋しい。彼女の独立は、私の人生にとっても人生の節目になった。

今でこそフルタイムで仕事をしているけれども、長い間専業主婦であった私は、子供たちと一緒にいろんなことがするのが大好きで、有難い事にそれをする事ができる境遇にいた。子供と大人の時間、空間を区別している人もいる中、私は常に子供と一緒に何かをしている方が好きだった。

幸いにも近所にも同じ価値観を共有している人達が多く、コミュニティーができ、子供達が精神的に健康に育って行ける環境が整い、近所の友人と楽しく子育てすることができた。自分のアイデンティティーが、100%絶対的母親であり、主婦であった。でも今娘が家をでた事によって、自分の人生の役割が替わろうとしている気がする。

とにかく巣立って行った娘、と言っても翌週は地下鉄のストがあったので職場に近い我が家に泊まりに来たし、日曜日は英国の母の日であったから、これまたほぼ半日以上は一緒に過ごした。

その時の別れ際に娘は「やっぱり実家が好きや~、まだまだ実家に居たかった~」とちょっと涙した。誰にも何も言われないけど、いつ実家出るの?と社会からのプレッシャーも感じていたらしい。

思えば私は22歳、夫は18歳で実家を出た。私の母は一度も淋しいとか言った事はないけれども、どんな気持ちで私を送り出してくれたんだろうか?

いつかは親元を離れるのは当然とわかっていながらも、いつも見ていた笑顔が毎日見れないのは、とても淋しい。

日本では、仕事をするようになってからも実家暮らしの若者は多いと聞く。南ヨーロッパの国々でも経済的理由から、大学を卒業して働き出しても親元で生活している若者はかなりいる。

でもイギリスでは大学を卒業して1年以内に実家を出る若者が多い気がする。

私の友人の中で、25歳の子供が親と同居しているのは3人だけだ。その中の2人はお給料が安定してきたので、もうすぐ実家を出る。残りの1人は最近お父さんをなくしたので、母を精神的に支えるので、もうちょっと実家暮らしを続けるらしい。

長女の友人では、実家暮らしは残るところあと1人。ほぼ全員がもう独立している。

我が家の次女もこの夏大学を卒業するので、また夫と2人だけの生活にもどるのもそんな遠くない未来になるのかな?

子供はすぐに成長する。手がかかるのはわずかな時間だ。今子育てに疲れている親御さんがいればお伝えしたい。その時期はいつか終わりが来るので、どうか子供さんと共々、今しかできない事を楽しんでやってください、素敵な思い出を作ってくださいと!

できる事なら、もう一度子育てをやってみたいわ~!

ある夜の娘の夕食

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