おやつ

イギリスの小学校では午前中の休憩時間におやつを食べる習慣がある。私が働く学校でも20分の休憩があって、子供達はその時に各自持参したおやつを食べる。

おやつ(スナック)の定義は家庭によってかなり異なるから面白い。日本ではおやつと言うとお菓子的な印象があるが、うちの学校では、先生方の指導もあってか、低学年の児童は果物、ステック状に切った野菜、レイズン、チーズなど栄養価の高い食品を持ってくる。高学年になっていくとポテトチップス、ビスケット、ポップコーンなどいわゆるお菓子を持ってくる子が増えていく。

日本人の私も、はじめは子供のおやつに何をもたせたらいいかよくわからず、ハムサンドウィッチとか、おかき、果物をベースにしたお菓子、ヨーグルトなどをもたせていた。

親として自分の子供が家で何を食べているか把握していたので、おやつには甘いものを食べてもあまり気にならなかったのが本音。

でもこの間、うちのクラスの子供達のおやつの中身を見てたまげた!

セロリときゅうりのステック、半分に切った人参のみ、ミニトマトだけを持ってきてる児童が4人ほどいた。その中の一人が「見て、私のスナック、セロリだけ!こんなん食べたくない~!」と自分の持ってきたセロリを私に見せた。「確かに!」

その子の隣にはチョコチップ入りのクッキーを食べていた子が座っていたからなおさらそう思ってしまった。

その子の親は、自分の娘があまりにもよく食べるので、子供の食事に糖質制限をしてるらしく、「給食のデザートの量は少なめにしてください。」と学校にも頼んできた。親として我が子の健康管理をちゃんとしているのは素晴らしい。でも食べ盛りの子、それも標準サイズのその子がなんか気の毒に思ってしまう。

野菜や果物しか持たせてもらえない子供は、他の子がビスケットやポップコーンなどを持ってきたら、羨ましさもあって、いつも私にその事実を報告しにくる。これだけはそれぞれの家庭の考えがあるから仕方ない。でもその子達の気持ちもよくわかる。

健康志向のスナックといえば最近は、韓国海苔を持ってくる子が多い。おやつにぴったりなサイズの物がスーパーでも売られているし、甘いものじゃないから親も喜んで買っている。時々子供達が海苔を一まいくれたりしたら「あー海苔がおやつになるなんて、不思議な感じ!」と時代が変わったのを痛感する。

私が今までに見た中では、アラブ人、イラン人、トルコ人の子供たちが持ってくるスナックが栄養価と中身において一番レベルが高いように感じた。美味しそうな乾燥ナツメヤシやイチジク、オリーブ、野菜とホムス、チーズ入りのパイ。これも食習慣の違いやね。

もう名前は忘れたけれども、子供の頃あられの中に時々混ざっていた、小さな乾燥した魚や昆布をおやつに食べさせられたことを思い出した。決して美味しいとは思ってなかったことも。

せめておやつぐらいは好きなものを食べさせてあげたいと思う反面、毎日ポテトチップスやチョコレートを持ってくる子を見ると、首を傾げてしまうのも事実だ。

すべは適度にするのが一番やね。

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