今日はロシア人のママ友から教わったレシピでボルシチを作った。
ボルシチと言えば、ロシア料理と思いがちだけれども、その発祥の地はウクライナと言われている。ウクライナ、ロシアそしてポーランドが自国の食べ物と主張しているボルシチは東ヨーロッパ、ギリシャでも作られている。
赤かぶ、赤玉葱、赤キャベツからでる赤紫色がとてもきれいなボルシチ。それ以外にトマト、人参、セロリアック、じゃがいも、唐辛子、牛肉、豚肉または羊肉やソーセージが加わる。もちろん地域によっても家庭によっても素材が異なるし、その時家にあるもので作られてきたはずだ。
ボルシチを作りながらそれらの国の事を考え出した。
私が初めて話したロシア人は、1990年ロンドンから東京に行きの飛行機で隣り合わせになった人だった。ベルリンの壁が崩壊してからのロシア情勢がどうなっているかとても興味深かったけれども、まだロシアはソビエト連邦共和国として機能していた頃だったので、さすがに政治的な事は聞けなかったのを今でも覚えている。
その後、1993年にトルコの黒海沿岸地域を旅している時にロシア人、ウクライナ人、ベルルーシ、グルジア人など旧ソビエト連邦出身の人々と話せる機会に恵まれた。彼らは自国の物をはじめあらゆる品を持ってきてトルコの青空市場で売りさばき、それで得た利益で今度はトルコでタオル、シーツ、ベットカバーなどのいろんな布製品を買って、自国に戻って売っていた。当時のトルコではこれをルスバザールとよんでいた。
異国情緒たっぷりのルスバザールに魅了されて、日々ルスバザールに顔を出していた私達夫婦。
夫がロシア人、私がウズベキスタン人の商人に間違われ、私達の持ってたNikonのカメラを売ってくれと言われたこともあった。
またある時はロシア人のおばちゃんがひつこく「..コン、..コン」と言って追いかけてきた。何かと思うと彼女はキリストの画像であるイコンを手に持っていた。これを私に売ろうとしているらしい。「コン、コン」と聞こえるその発音とまるで密輸品でも扱っている用に隠しながらその画像を私に見せる姿が滑稽でおかしかったのを今思い出した。
ルスバザールにきていたグルジア人の女性からフォークとナイフのセットを買った時は「私が初めてあった日本人や!」と感激してもらって、おまけまでいっぱい付けてもらい、同じく感激した私はその彼女に持っていた日本製のハンカチを手渡した。その瞬間熱烈なハグをしてもらい、小さな国際交流にお互い熱くなったけ!彼女達は今どんな生活をしているんかな?
そお言えば今から30年も前に知り合ったポーランド人のクラスメイトにも、ポーランドのボルシチのレシピを教えてもらった。確かポーランドのボルシチはウクライナやロシアのボルシチと違って、煮込んだ野菜は取り出して、お肉とスープだけでいただだくらしく、ロシアとは違うという点を強調して説明してくれたのを覚えてる。
30年前はあんなに遠くに感じた隣国ロシアだけども、今ではロンドンでも日本でもロシア人やウクライナ人と出会える機会はあるし、日本からウラジオストックに週末に旅行なんていうのもできる。
でもなんか、世界が広くて遠かった時がちょとだけ懐かしく思えてくるなー!
とにかく今夜はサワークリームと、黒パンでボルシチを楽しもう!