今朝も友達と公園を散歩してきた。
春に入った今、野外に出ると水仙、マグノリア、ブルーベル、桜、アーモンド、チューリップと色とりどりの美しい花がいたるところで咲き誇っていて、確実に見る人の心を喜ばし、癒し、時には夢心地にさせてくれる。
ロンドン市長は2050年までにロンドン市内の葉や枝などが茂っている場所を10%増して、市内の50%を緑地にする目標を掲げており、その一環として2020年には約3000本もの新しい木が市内のいろんな場所で植えられた。緑が増える事で空気の質を高めて大気汚染の改善をはかり、津波のリスクを下げ、野生動物のすみかを確保し、町を美しくして人々がもっと散歩やサイクリングをして、ロンドンをゼロカーボンシティーにするのがロンドン市長の最終目標だ。
確かに私が住むウエストミンスター地区では、可愛い花が入ったバスケットが道に飾られていたり、地域によっては街路樹の隣にかわいい花が添えるように植えられていりして、思わず立ち止まって見入ってしまう光景はたくさんある。
その反面少し治安が悪そうな場所に行くと、急に緑が視界から消えてしまう。緑のない荒涼とした景観が人に治安が悪いという印象を与えるのか。自然と触れることが精神にポジティブな影響を与えるのはもう誰もが知っている事だから、治安の悪い場所や環境がよくない所にこそ植木を植え、緑の空間を作るべきだと思う。
昨日はニュースでパリ市内で奨励されている住民による共有農園企画を知った。パリ市に申請してPermis de Vègètaliserという許可書をもらい、家の近くの道端や、街路樹の周り、公共施設区内などの空き地をガーデンや農園にしたり、手付かずの荒地を緑のスペースに変えたりする緑化政策だ。許可が下りると3年間申請したスペースで園芸をする権限が与えられる。区役所ではガーデニング用のスコップや鋤なども貸し出してくれ、アドバイスもうける事ができるらしい。緑が少なく人口が多い都会にはもってこいのアイデアだ!
中には荒地に住んでいたホームレスの人が近隣の住民と共同でそこを緑豊かな素晴らしい空間に作り上げていたり、香り高いハーブを沢山育てて、通り行く人々を魅了させたりと、街を美しくする以上に、人と人を結びつけコミュニティーを作り出していると言うメリットもあった。
日本一緑が少ないと言われている大阪育ちの私は、どんなに小さなスペースであっても町中で小さな自然を見つけるとワクワクと幸せな気分になる。
去年の秋だったか大阪市のど真ん中梅田の歩道橋の下、橋の階段と歩道のアスファルトの隙間から大根が生え出した。大根の白い部分が数センチ地上に突き出し「こんな場所で根を張って頑張ってる~」といろんな人がその存在に癒され、その大根はど根性大根とニックネームまで付けられた。この大根を見てなんかとてもその大根が愛おしくなったのを覚えている。
これからは新緑が綺麗な時期がやってくる。ほんとに植物には感謝しかない。