スポーツについて思う

今年もウインブルドンの時期がやってきた。今回のトーナメントには大坂なおみは参加してないものの、惜しくも途中棄権になったけれども世界ランキング338位から一躍8強入り手前までいったイギリスの期待の星18歳のエマ・ラドウカヌの快挙で女子テニスは盛り上がっている。

昔日本にいる友人がウインブルドン観戦をテレビで見ていて「なんか観客は皆お洒落で、お金もちそうな人が多いね」と言ってきた。そうウインブルドンのチケットはかなり値がはる。

長女が言うには「イギリスのテニスは芝生の上でプレーされ、維持費がかかる芝生にアクセスするためには会員費を払ってテニスクラブに入っていなければならず、それ自体にお金がかかるのである程度裕福な人でないとテニスはなかなかできないスポーツ」であるらしい。

イギリスでのスポーツについて考えるとまだまだ昔の階級制度の名残りが残っているとつくづく感じる事がある。アクセスできるスポーツと経済力が関わっているからだ。

例えばラグビー、最近では変化があるかもしれないが、学校でラグビーを教えプレーするのはいわゆるパブリックスクールなんかの私立の学校かイギリス北部とウエールズのみ。

ラグビーが大衆スポーツのオーストラリアとは違い、イギリスのラグビーサポーターを見ていると自分の行っていた学校でラグビーをしていたなんとなく経済的に恵まれていそうな人が多く、どちらかと言うとラグビーはエリートのスポーツだ。

ラクロスもそう。アメリカでは人気があるかもしれないが英国では私立の学校のスポーツという印象がある。

あとお金がかかるスポーツはやっぱり、フェンシングや馬術。フェンシングを上達させるためにはいろんな国際試合に参加しなければならず、それにかかる移動費はかなりの額になる。仲良しのAの子供は16歳のフェンシング界ではかなり腕がよく、チームGBに近いところにいる。その子供のために友人は今週末はマンチェスター、再来週はリバプールといろんなところに娘をトーナメントに連れていく。まさに親のヘルプなしではランキングで上に上がれないシステムになっている。

私の働いている学校では、夏はテニスと陸上に加え、今まではラウンダーズというイギリスとアイルランドでしかプレーされていないソフトボールに似たスポーツが教えられていた。でも今年からラウンダーズに変わって2年生からクリケットを教えるようになった。

「外国人の子供が多いのでクリケットの存在自体知らない子がいる中、イギリスの国家的スポーツを教える事はとてもいい事、クリケットを教えるようになって良かったですね」と体育の先生に言うと「ラウンダーズと違ってクリケットには国全体に予算、お金がかけられていて、他校とかの試合をする機会もグーンと増えるし、プロの道にも繋がっていくからねー 」と答えた。

残念だけれどもスポーツとビジネス、お金の関係性は無視できない事実だ。

ではお金のかからないスポーツは何?と言うとやっぱりフットボール、いわゆるサッカーだ。

サッカーは本当に人気がある。特にヨーロッパや中南米、中近東では一番人気のスポーツなんじゃないかな? サッカーを語る時どうしてもイギリスのホリーガン的な熱狂的なフアンがちっとだけ否定的なイメージを与えてしまうので、ラグビーフアンの中でサッカーを毛嫌いする人も中にはいる。でもやっぱりサッカーは国民的スポーツ。

今ヨーロッパではサッカーの欧州選手権が開催されている。96年大会以来の準決勝進出を決めたイングランドは明日7月7日にデンマークと準決勝で対戦。ロンドンのウエンブリースタジウムでの対戦になるのでイングランドにとってはホーム試合で、感情的にはとても有利。明日は賑やかな歓声があちこちから聞こえてくると思う。

もうすぐオリンピックも開かれるし、しばらくはスポーツ選手の活躍に私も熱い思いを共有させてもらおー!

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