給食

給食といえば、昭和育ちで大阪市の公立小学校に通っていた私にとっては決して美味しくないシロモノだった。正体不明の揚げ物が副食に出た時それをポケットにしのばせておいて学校帰り近所の犬にあげたらその犬も嫌がって食べなかったという記憶がある。

私の子供が通った、そして今私が働いている小学校の給食はどうかと言えば、私の子供時代の給食よりかは断然美味しい。100点満点中75点ぐらいのレベルかな?1人暮らしの同僚のほとんどは給食が1日のメインの食事という事もあって、栄養的にバランスが取れているし、グルテンフリーやベジタリアン用のメニューもちゃんと考えられている。

とにかく美味しい物が食べられる日もあれば、そうじゃない日もあるって事。毎週木曜日はローストポークやローストハムまたはチキングリルがメインで、付け合わせにローストポテトやポテトのグラタン、茹でたにんじんなんかが食べられてこれらのメニューは大人にも子供にも大人気。

子供達が一番喜ぶのは決まって金曜日に出てくるフィッシュフィンガー、ポテトフライ、グリーンピースのランチ。子供達の顔が引きつってくる、あまり美味しくないランチは以前にも書いたフィッシュパイ、またはチキンやビーフパイ。

他の日はミートボールのトマトソースにペンネ、クスクスと羊のタジン、チリコンカルネなんかが多い気がするけれども、はずれの日は照り焼きソースに野菜と言った本家本元の照り焼きソースとは程遠い料理や、アクが浮いている豚肉のクリームシチューとかが出てきて、そおなってくると子供達も私もがっかり、そんな日はジャケットポテトとチーズで我慢する。

先日は自分達の子供が毎日何を食べているか知りたいという事でPTAが私達のランチに参加した。

でもそんな時に限ってランチは美味しい。その日はペンネにチキンのトマトソース、ベジタリアン用にはズッキーニとナスのトマトソースで、これを食べた親は多分「給食は美味しい」と結論付けたはず。

子供達の中にはパスタやソースにいっさい手につけず、食べれるのはきゅうりやにんじんのスティック、チーズそして食パン一切れのみって子供もいるし、野菜はいっさい食べれない子供もいる。給食でつらい思いをした私は絶対に子供には食べ物を押しつけない。それにどの親も自分の子供が何が嫌いかわかっているので先生が子供に食事を強制するのは間違っていると思う。

昔アメリカ人のママ友が言っていた「学校給食ってものは美味しくないのが普通、だからもし美味しい物が出てきたら得したと思わないと」本当こう思っていると何が出てきてもありがたくいただける。

イギリスの給食は有名シェフ、ジェイミー・オリバーが公立学校の給食改善運動に取り組んで、脱ジャンクフード、ヘルシーで経済的なレシピーを考案したり、食育活動に力を入れて政府にも給食改善のための予算を増やすように働きかけたりしてかなり改善されたと言われている。長女も「ジェイミー・オリバーの給食改善キャンペーン以後の給食は良くなっていった記憶がある」と言っている。それまでは本当に冷凍食品や安いピザ、ソーセージ、フライドポテト、缶入りの茹でた豆なんかが主流だった給食も多かったんだろう。

そしてイギリスでは学校給食が1日の食事の中で唯一食べられる暖かい料理になる子供達が多くいる事も事実。それを思うとランチがまずいのどうのこうのと言ってる場合じゃない。

私が食べれなかった給食を大人になった今もう一度食べてみたい。好き嫌いが多い子供達に日々「私の子供時代の給食に比べたらあんたらが食べてるこの料理はご馳走よ、だからちょっと食べてみたら?」なんて言ってる自分がいるけども、私が食べた給食は本当にまずかったのか、もしかしたら私の偏食が問題だったんだろうか?今になってはもう知る術がない。

コメントを残す