巻き寿司

私が担当する1年生のクラスでは、今年からFood Scienceと言って簡単な料理の授業を始めだした。今までに作ったものはピザ、サラダ、フルーツサラダ、イートンメスというイギリスのデザート、ギリシャ風野菜とチーズのパイ。

「あーいつかお寿司をしないと」と思い続け、やっと昨日のFood Scienceの授業に日本人の友人二人にも来てもらって、みんなで簡単な巻き寿司を作った、というより巻いてみた。

いろんな子がおやつに味付け海苔を持ってくるぐらいだから、みんな喜ぶだろうと思っていたけれども、こちらの想像を上回るぐらい子供達は大喜び!一人あたり二つぐらい作ったらいいかなと計画していた私が甘かった、みんなまあ巻くわ、巻くわ!五つも作った子もいたぐらい。

巻き寿司用の海苔を半分に切って子供達に渡したものの、みんな作る前からちょこちょこと海苔を味見して、いざ巻くとなった時には長方形のはずの海苔が、ほぼ正方形や変な形になっていたりとお笑いの連続。

あまりに海苔を味見をする子が多く、いざという時の為に買っておいたおにぎり用の味付け海苔を代わりに渡したら、どの子ももっと欲しいとおねだりしてきてそれも一気になくなった。

担任の先生も「これはピザを上回るぐらいの大成功」と言ってくれたぐらい、みんな喜んで巻き寿司を作ってくれたので、私も私の友人達もやり甲斐を感じてすごく楽しかった。

巻き寿司と言っても、学校で作るので生の魚は使えないし、と言ってきゅうりやアボカドだけではそっけないので、スモークサーモン、ハム、イスラム教徒の子にはチキンのハム、そして卵焼き、

キューピーマヨネーズであえたツナを用意した。なんとこのツナが予想以上の人気!やっぱりわがキューピーマヨネーズの味のおかげかな? 

このクラスの父兄の中には偶然にも新婚旅行に日本に行く予定だったけれども、ちょうど東日本大震災が起きていけなくなったご夫婦が二組いたり、大学時代に日本語を外国語として勉強していた人、日本に旅行に行った人、あと来学期転入してくる子のハンガリー人のお母さんは17年間東京に住んでいたとかで日本文化に興味を持つ人が多い。

先日もアートの授業で草間弥生さんのカボチャの絵を紹介して、彼女について少し教えたら、それを知ったファミリーが早速、Tate Modernでやっている草間弥生さんのエキスヒビションに娘さんを連れて行ったりと、すごく教え甲斐があって私まで嬉しくなった。

最近ではいろんな国で日本文化が人気があるのは知っているけれども、本当に世界の多くの国の人たちにとって日本が近い国になったなーと改めて実感する事がある。

親族が日本人と結婚した友人もいるし、息子さんが日本で就職が決まった友人もいる。夫のオーストラリア人のいとこ家族はコロナの前までは毎年北海道にスキーに行ってたりと、イギリス人がごく普通にフランスやスペインに行くように、いろんな人が気軽に日本に行く時代になった。

36年にスコットランドで出会ったチェコ人、日本人が生の魚を食べると知って「えー考えられい、自分は絶対食べたくない」と言っていたけれども、あの彼女は今でもお刺身やお寿司を口にする事はないんだろうか? そんな彼女の方が今では珍しいんでは?

昨日巻き寿司を巻いた子供達を見ていて確信した。「あーこの子達が大きくなったら、パスタを茹でるのと同じように、こうやって巻き寿司を作るんやろうな」って!

なんか嬉しいなー!

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