子供に癒される

今日から私が働く学校も2週間のイースターホリデーに入った。通常どの学校も学期末は行事に追われて忙しさが続く上、オンライン授業のリズムに慣れてしまっていたスタッフは学校がオープンして以来みんな疲れがとてもたまっていた。

小学校の低学年担当のスタッフに求められるのは忍耐力。これについては一度Tik Tokの面白い画像をみた事がある。中高生とのオンライン授業では、授業中生徒がカメラをオフにしているケースが多いので、授業をしている先生は顔の見えない画面に向かって教えることに。実際に相手がカメラの前にいるのかどうかはすぐにはわからず、名前だけが写った画面を見ながら先生は話し続けてる。その反面小学生、特に低学年の子供達に教える場合、先生が何かを説明している時でも子供たちはみんな自分の事を話しはじめる。

「はいみんな、今日は形容詞について勉強します」と先生が言うなり誰かが手を上げて、

「ミス、昨日は私のおじさんの誕生日でした」「あーすごい、ちゃんとお祝いしてあげた?」

「弟の誕生日は6月でーす」と誰かが続く。

「お父さんが猫を買ってくれるって約束したよ」

「今度も誕生日にデズニーランドに行きまーす」と急に話の方向が変わっていく。

私なんかは「はいもう終わり、その話本題と全然関係ないやん、もーわかったから」とイライラしだしているのに、一緒に働く担任の先生は「すごーい、いいねー、楽しみやねー」とどの子の話にも真剣に興味を持って聞こうとするので私は彼女にはいつも頭が下がる思いでいる。

さすがにプロだ。

それでも子供と接すると言うことは日々の生活に笑いがあって、心がほっこりする日が圧倒的に多く、そこに仕事のやりがいを感じさせられるのも事実。

今週もよく笑わせてもらった。

「あーお腹すいた~、ランチまであと何分?」と最近腕時計を買ってもらったばっかりの子が聞いてきた。「あと20分でランチやからもうちょっとがまんして~」と答える私。そして20分後の11時40分になった時、ビビービビーという音が聞こえてきた。その子が自分の腕時計にアラームを設定したからだ。「まじで? こんな発想ってあり?」

体育の授業中みんなが走っている時、急に1人の生徒が向きを変えて私の元にやってきた。

「どうしたん、なんでこっちにくるの?」ときいた私に「あーもう疲れたから走るのやめるわ、ちょと休憩しまーす」と答える生徒。それを見て一瞬唖然としてしまった体育の先生と私。私が子供の頃には考えられないこの行為に、注意する前に思わず笑いが出てきてしまった。

最近この仕事を辞めたいという気持ちが高まってきている私だけれども、子供たちとのかけがえのない時間を過ごしていると「この仕事は私にあってるなー」とも思ってしまう。

イースターホリデー、この休みにちょっとゆっくり今度の人生について考え直してみたいと考えている。

アイルランド

昨日はアイルランドの守護聖人パトリックを祝うセント・パトリックデー。

私が働く学校でも朝の朝礼で、セント・パトリックについて学び、私のクラスの担任はアイルランド人のハーフなので、子供達からHappy St Patrick’s Dayのカードをもらっていた。

アイルランド。私の夫の先祖は父、母方両方ともアイルランド出身なので、私たち家族にとってもアイルランドは親近感のある国。現に私の今の苗字はアイルランドの苗字。

長い間アイルランドは、イギリスの統治下にあり、その経済は停滞したままだった。そこに追い討ちをかけるように1845年から1851年までポテト飢饉が発生して、800万いた人口の25%が亡くなり、更に人口の25%がイギリス、アメリカそしてオーストラリアに移民していったので、1911年には人口は440万人以下まで減少したと言う。

義父の祖父はまだ11歳の時、アイルランドから単身オーストラリアに渡った。食べ物もなく11歳の少年はどんな思いで、1人で船に乗ったんだろう。彼は自分の幼少の頃の話を自分の子供にも話さなかったらしい。

昔ダブリンの空港でアンケート調査を受け、その中にアイルランドに親戚がいるかどうかという質問があった。「オーストラリア人の夫の先祖はほとんどアイルランド人です。」と答えると「あまりに多くのアイルランド人が他国に移民していったので、この国と縁がある人は世界中に存在していますよ」とその人が言っていたのを思い出す。

確かにイギリスで生活していると、どの人も必ずアイルランド人には出会うはず。

アイルランドと言えば、朗らかな国民性、ギネスビール、アイルランド人の前身であるケルト民族、それにまつわる妖精民話、アイルランド音楽にアイリッシュダンス、詩人のイェーツ、作家のオスカー・ワイルド、ポテト料理、ラグビーなどが連想される。

ダブリンに住むアイルランド人の友人Tを訪ねた時の事、1週間の滞在期間中毎日ポテト料理を作ってもらった思い出がある。ポテトスープ、ポテトパン、ローストポテト、マシュポテト、ポテトサラダそしてポテトチップ。アイルランドはポテトが大好きだと言うけれど、ほんとにポテト料理のオンパレードでもてなしてもらった。

昨日のセント・パトリックデー、この日のお祝いには多くのアイルランド人の家庭でアイリッシュシチューやもう一つの伝統料理であるゆで豚とキャベツが作られた事と思う。

英語で言うとBoiled Bacon and Cabbageは、ベーコンというものの使われるのは豚肉のロースか豚肩肉。スモークされたハムを使う人もいるらしい。それをゆでた春キャベツと共にクリームとパセリを加えたベシャメルソースをかけていただく。

アイルランド人の同僚は「アイルランド料理を友達にご馳走する時は必ずこの料理を作る」と言っていた。春キャベツが美味しい今、「私も作ってみようかな?」と彼女にいうと「デザートにアップルパイとクリームを、それからアイリッシュコーヒーも忘れないで」と言う。

そうや、ウイスキーの入るアイリッシュコーヒーは日本でもよく知られている。

今や世界各地でお祝いされているセント・パトリックデー、昨夜は夫のご先祖様にHappy St Patrick’s Dayと挨拶して眠りについた。

フランスに行きたい!

最近やたらとフランスに行きたいと思うようになった。南フランス、中部フランス、南西フランスとにかくどこでもいいからフランスの田舎をゆっくりと旅をして、美味しい物を食べに行きたい。

私の好きなYou Tube番組 ‘フランスパロディ’ なんかを見ているとその気持ちは更に高まってくる。そこで見られるフランス人の食卓シーンは最高。家族や友人と手作りの食べ物を味わいながらワイン片手におしゃべりを楽しむ光景、キノコ狩りをして、取ってきたキノコを乾燥してからリゾットに使ったり、自宅の庭でなったりんごをアルミホイルに包んで暖炉で焼いてクリームをかけてデザートに食べたりと素敵な光景がいっぱい。

もちろんどの国にも同じようにオルガニックな生活を楽しんでいる人は多いとはわかっているけれども、私にとっては理想の生活を送っている人がフランスには多い事が事実なのを知ってるだけに、ますます憧れてくる。

いつかパリ郊外に住む友人Gを秋に訪ねた時、彼女の自宅近くを散歩していたら大量の栗が落ちていた。みんなでそれらの栗を拾い集め、その後彼女の家に戻ってすぐに栗のスープを作った事がある。心も胃も満たされてすごく幸せな気分になったのを思い出す。

先日フランス人の友達MBから「いつもブログを読んでるよ」とメッセージがきた。MBはママ友でもう18年のお付き合い。彼女とは時々一緒に料理を教えあったり、熱く教育論や世界情勢を語る仲。いろんな子育ての仕方があるが、この友人は本当に暖かいお母さんで、もう成人した子供たちもそれぞれどんなに忙しくても家族で共に食事をする時間を大切にしている。

私はこの食卓の文化である料理、食事、ワイン、食事での会話がフランス文化の魅力の一つだと思う。

今日古いノートを見ていたら、MBに教えてもらったフランス料理ブランケットのレシピが出てきた。フランスでは一度だけビストロのメニューに載ってたのを見たことがあるが、これは家庭料理の定番中の定番だと言われている。

ブランケット・ド・ヴォーは仔牛の煮込みの事で、鶏肉や豚肉を使う事もある。名前のブランケットはフランス語で白という意味のブロン、ブロンシュからきている。

作り方は、まず熱々のバターで塩、胡椒をして、一口サイズに切った仔牛肉を炒める。お肉に火が通ると別のお皿にお肉を取り出し、今度は同じフライパンでみじん切りにした玉ねぎを炒める。玉ねぎがアメ色に炒まったらそこにお水、ベイリーフ、チキンストックを加えてソースを煮詰めていく。別のお鍋にバターと小麦粉を入れてルーを作る。そこに玉ねぎソースを少しずつかき混ぜながら入れいく。更に水を入れて最後にクリームを入れて味を整える。MBいわく、にんじん、白ネギ、じゃがいもをいれる事もあるらしい。

付け合わせにはバターライスが最高。ブランケットはなぜか春らしさを感じる一品だ。

今はまだ遠いフランスだけれども、近い将来また行ける事を願って近々ブランケットを作ってみよう。Merci beaucoup, MB!

ご近所さん パート3

先週約3ヶ月ほど空き家になっていた我が家の階下に、新しい住人、ラトビア人の兄弟が引越ししてきた。

下からの雑音がしばらくなくなり私が静かさに慣れてしまったという事と、階下の物件は賃貸なので、毎回はじめは新しい隣人の生活スタイルがわからないという事もあって私としても何か気分が落ち着かない。

その物件の所有者が私たちはじめ建物の他の所有者に新しい隣人のメール先を送ってきたけれども、相手の詳細はわからないのでうちの上に住んでいる女性はすぐさま「こんな時世だからセキュリティーはちゃんとしておきたいので、今度引っ越してきた人の職業を教えて」とすぐさま返答していた。

私はと言うと下の人たちの引っ越しが落ち着いたら挨拶に行ってみようと思っていた。

でも彼らがやってきて我が家までタバコの匂いが漂ってきたので予定変更、急遽下の人に話をしに行った。

昔は私も喫煙者だったし、他人の生活習慣にとやかく言いたくはないけれども、築150年以上の古い建物には至るところに階下、階上に通じる穴というか、スペースがあるので、タバコの匂いはすぐに建物に充満してしまう。この状態に黙って耐える気は毛頭ない。

あー厄介な問題!確かに彼らには自分の家の中でタバコを吸う権利がある。この建物の管理は所有者が全員でしているので、Air B&Bを禁止にしたのと同じで「この先の為にこの建物内は禁煙という条例を作って」と提案する事もできる。

とにかく私のイライラが増してきたので、夫が階下の所有者にメッセージを送ってくれた。

そしたら今日公園で階下の隣人とばったり会った。開口一番「オーナーからメールがきてタバコの匂いと音の問題の話は聞きました。僕たちは今の家にはしばらく住むつもりでいるから、隣人とはいい関係でいたいので、タバコはなるべく野外で吸います。この先問題が出てきたら直接連絡してきてください」と言ってきた。

この瞬間私の中のイライラは吹っ飛んでいった。ちょとしたコミュニケーションでこうも気持ちに変化が出てくるものかと自分でも驚くほど、その後下から聞こえてくる音が気にならなくなっている自分がいる。

先週は真向かいに住んでいる20代の若者がまたパーティーをした。表通りに面するバルコニーに出て大声で飲んでみんなはしゃぎまくり。これには同世代である私の娘達が「私もパーティーしたいけれどもロックダウンやから我慢してんのに、この騒ぎうるさすぎる!」と怒りまくり。

話す言葉からトルコ人の留学生やアメリカ人学生のようだ。母国を離れてロックダウン中のロンドンにいる彼らの騒音に私は多少理解も示せたが、騒音が夜午前をすぎて2時ごろにカラオケになった時には「明日文句を言いに行こう」と決心。

翌日、その若者が空き瓶をごみ箱じゃなく通りに置きっぱなしにしてるのを目撃してしまったので私たちの怒りも頂点。

長女が話をしに行って、相手ははじめから最後まで言訳と平謝り。でも最後に相手が「当分パーティーをする予定はありませんから心配しないでください」と言ったきた時長女は「ほんまにたまげた、ロックダウンの意味がわかってないのかな?」とあきれ返ったという。

今日もマーケットで野菜を買いに並んでいると「あーほんまに昨日の晩は頭にきた……通りの….番の家は昨日もパーティーをしてた。もうちょっとで警察に通報する所やったわー」と誰かが言ってるのが聞こえてきた。

これってもうロックダウン生活が限界に近いって事かな? ロックダウンで家にいないといけない今、イギリス全土で隣人問題を抱えている人が増えているんだろうと思う。うちのお隣さんのようにことが平穏に解決できていたらいいけれど、隣人問題って本当に厄介だ。

紫のクロッカスが可愛いすぎる!

ラテンアメリカンミュージック

我が家では、次女がポルトガル語とスペイン語を勉強している事もあって私たち親子は毎日ラテンアメリカの音楽を聴いて、歌って踊っている。

コンピューターに向かっている時間が増えてる今、ラテン音楽に乗って体を動かすのは適度な運動にもなり、音楽を楽しむのと一石二鳥のメリット。

私は若い頃家族や友達の影響でSalsaやSamba、Bossa novaをよく聴いていた。まあ当たり前のことだけれども中南米には他にもたくさんの音楽のジャンルあって、最近また娘のおかげでまた奥が深いラテン音楽に魅了されている。

まずはSalsa。次女が言うにはSalsaはキューバ移民が1960年ごろニューヨークで作り出し、プエルトリコ人と共に形作っていった音楽。キューバ系、コロンビア系、プエルトリコ系があるらしいが、私が好きなのはMarc Anthony、Ruben Blades、Omara PortuondoそしてCelia Cruzなどの大御所。

軽く体を動かすにはもってこいのBachataはドメニカ共和国生まれのダンスミュージックで、ギターとドラムの軽快なリズムがいい。有名どころはPrince Royce の’Darte un beso’やRomeo Santos。Prince Royce とMarc Anthonyのデユット曲’Adicto’はスペイン語がわからない人にも情熱が伝わってくる曲だと思う。

そして今人気のReggaeton。これは1990年代にダンスホールから発展したプエルトリコ発祥の音楽で、Rap、American hip-hop、Reggae の影響を受けている。大人気のDaddy YankeeとLuis Fonsiの’Despacito’は聴いているだけで体が動いてくる曲。日本のティーンエイジャーにも人気のCNCOはイケメンのグループで、うちの娘も大フアン!彼らの曲’Reggaeton Lento’を聴いたことがある人は多いはず。ちなみにこのCNCOは大阪出身のミュージシャン清水翔太くんの曲’My Boo’をカバーしたので、清水くんの音楽と名前が世界中のCNCOのフアンに知られるようになったと言う逸話がある。

私が一番好きなジャンルはBolero、よくに言うロマンチック音楽。キューバ音楽らしいが、原型はスペインのセビージャにある。私が好きな曲はメキシコ人が作曲した’Piensa en mi’これはスペイン人のLuz Casalが歌うバージョンが一番おすすめ。メキシコ人のLuis Miguelが歌う’Historia de un amor’もいい感じ。日本でも’Besame Mucho’や’Quizás,Quizás,Quizás’は昔からよく聴かれている曲だ。

’Historia de un amor’はいろんなアーティストが歌っているが、中南米じゃないけれどもフランス人の親子French Latinoが歌うバージョンは味があってこれもおすすめ。

ブラジルと言えばまずはSambaとBossa novaを思い出す。Sambaはアフリカ音楽の影響を受けて、Bossa novaはヨーロッパ音楽の影響をうけていると言われている。Bossa novaの大御所と言えばのJoão Gilberto。ブラジルには他にもMúsica popular brasileiraというジャンルがある。これはBossa novaの後に出てきた音楽で、Jazz、Samba、Funkの影響を受けている。Caetano Velosoはこのジャンルに入る。

あとSertanejoブラジルのカントリーミュージックで、アコーデオンの伴奏がつく。You Tubeで偶然見つけたけれども、Henrique & Diegoの’Esqueci Você’なんかはいい感じ!

他にもアルゼンチン音楽のTango、キューバ音楽のRumbaとMambo、ドメニカ共和国のMerengueも知られたジャンル。アンデス山脈あたりで歌われてきているフォークミュージックもいい感じ。サイモンとガーファンクルがカバーしたコンドルは飛んでいくはこのジャンルに入る。

こうして見てみるとキューバの音楽への影響はすごいな~!でもいろんな音楽を聴いて、自分の好みの音楽に出会えるのは最高。充分な時間を与えられた今のロックダウン生活には最適やね!

大好きなファーマーズマーケット

移動の制限がある今の生活の楽しみといえば、週末に長女と行くファーマーズマーケットへの買い物。大型スーパーとは違って、そこで売っている近隣農家から直送でやってきた野菜や果物はとても新鮮で、見ているだけでも目の保養になる。

まだ少し土が残っている、時には不揃いな野菜には自然の中で陽光をたっぷりと受けて育った元気さを感じることができる。マーケットで買ったレタスでサラダを作ると、スーパーで買ったレタスと違って味、舌触りが違い味が格段に美味しくなるからすごい。

イギリスのスーパーで売ってる、バックに入っていてすでに水洗いされたほうれん草を食べる時、子供の時に感じたほうれん草の独特の苦味は全く感じられない。でもマーケットで買うほうれん草は子供の頃に食べたほうれん草と同じ味がする。

ファーマーズマーケットで買い物をし始めると何が旬で、どんな野菜が近郊で作られていて、どんな野菜が輸入だけに頼っているのかも明白にわかる。今の時期マーケットにはおなすやピーマンなんかはなく、ふんだんにあるのはキャベツ、スイスチャード、ケール。インゲンなんかはほとんどケニアからの輸入品なので、ファーマーズマーケットでは見かける事もない。

5月ごろになるとアスパラガスが、6月に入るとチェリーや苺が顔を見せ始め季節の到来を知らせてくれる。

野外のマーケットで買い物が好きな人は、そこ来ている人たちが作り出すコミュニティー感が好きなはず。毎週顔を合わせる行きつけのお店の人とも、一言二言会話をするようになる上、見知らぬ人から「これどおやって調理するんですか?」なんて聞かれて心がほっこりする事も多い。

日本人の買い物客も時々見かける。「このパースニップで金平作ったら美味しかったわー」なんて会話も聞こえてきて、今度見かけたら他にも調理法を聞いてみよと思ったりもする。

多分そんな日本人の買い物客が一番求めてるのは新鮮なお魚だと勝手に想像する。

通常1店舗しかないお魚屋さんは大人気。11時過ぎなんかにマーケットに着いてしまうとお魚はほとんど売り切れ状態。見たところ10時を過ぎると魚料理をよく知ってそうな若いイタリア人、フランス人、スペイン人ファミリーがマーケットに来だして、いろんな魚を買って帰る。

この間も10時半にマーケットに着いて、魚屋さんを見るとそこにはもう6、7人が並んでいた。並ぶ前にチラッと何が売っているか確認。その時点ではまだムール貝もあさりも充分にあり、あとはたら、平目そしてさば、燻製された魚もあった。さばがお目当ての私は「多分大丈夫だろう!」と思い行列に参加。でも私の前の人の番になるとムール貝もあさりもなく、あるのはたらと二つのさばだけ。

「お母さん、今日はさば買ってよ~」と前にいる娘さんがお母さんにさばを勧めている。

「たのむからさばは買わんとって~、でももしさばが買われへんかったら今日のメニューをかえなあかん。どうしょ~」なんて心の中で呟いていた私。

前にいた人がイタリア人やスペイン人だったらそこで私はさばを諦めていたけれども、そこにいたのはさばの調理はあまりしたことがなさそうなイギリス人女性。ごめん先入観丸出しで申し訳ないけれども、さばを捌けるイギリス人女性にまだあったことがない私は、そこで「彼女はさばを絶対に買わない」という一抹の予感があった。

結局その親子は5分ぐらい考えた後たらを買って帰った。その瞬間私の頭の中で「今夜はしめさばが作れるやったー」と大喜び。

これも子供の頃と同じ。買い物に行くまで何があるかわからない。「今日は何あるん?」ってのり。

あと最近、きのこ類ではなめこに人気が出てきている。お店の人に「これは英語名はなんですか?」と聞けばNamekoというので、椎茸やしめじ同様なめこにも日本語名がつけられている。どうやらラーメンを作る時になめこを入れる人が増えているらしい。「他にもなめこのレシピがあったら教えてください」と頼まれた。

レストランに行けない今、おうちご飯を豊かにしている人が多いんかな? マーケットで買ったチキンで我が家は今夜、イギリスらしくローストチキンを作る予定。今唯一の楽しみ、ファーマーズマーケットありがとう!

マーケットで買った小さな紫のお花

ピクニックが楽しみ

このところ気温が2桁台まで上がって春を感じさせる日々が増えているロンドン。その為かロックダウン中と言えども街ゆく人に笑顔が多く見られる気がする。

先日イギリス政府による今度の対コロナ対策の見通しが発表されたが、それによるとレストランやカフェが開くのが5月17日とのこと。「あーもう待ちくたびれた!」というのがみんなの本音、私は早速アフタヌーンティーを予約しようとしたものの、目的のホテルは6月までは予約ができない状態だった。

3月29日以降は、異なる2世帯が逢ってもいいとの事で、こおなってくると今年は例年以上にピクニックをする人が増えると思う。

と言っても、最近ではベンチでサンドイッチを食べてる人も見かけたりするが、ロックダウン当初は、公園のベンチに座っているだけで警察に注意をされた友人もいたので、公園でピクニックができるのはご褒美のよう!

我が家のピクニックはバゲットに、ホームス、ナスのペースト、ひよこ豆で作られるフラッフル、サラダなどレバノン料理を中心にする時と、チャイニーズレストランでいろいろ買って食べるのが定番。

まあお弁当を作るのが一番家族に喜ばれる事はわかっているけれども、時間に余裕がない時には作ってられない。せいぜいスペインオムレツとサラダを作って、あとはパン、チョリソ、オリーブ、チーズを付け足すぐらいかな。

イギリスでは、ピクニックの定番と言えばサンドウィッチやソーセージロール、ソーセージ、ポテトサラダ、チーズ、ケーキにイチゴ、ぶどう、レモネード、ジンをベースにハーブやオレンジ、スパイスで風味つけらた夏のドリンクPimm’sがすぐに思い浮かべる。私は最近まで食べたことがなかったけれど、スコッチエッグなんかも人気の食べ物のようだ。ここにポテトチップスなんかのスナック類が入ったらもう上出来。

近頃のピクニックではお寿司を持ってくる人もよく見かける。

ピクニックに最適なお料理はというと、冷めても美味しくて常温で食べられるもの。

サンドイッチ、キッシュ、ケサデイージャ、野菜を使ったタルト、サラダといろいろあるが、私が好きなのはトルコ料理ではBörek,ギリシャ料理ではSpanakopittaと呼ばれる薄いパイ生地を使ったほうれん草とフェタチーズが入ったパイだ。暖かい日に、このパイとサラダとオリーブを食べるのが最高。

長かったロックダウン、ようやく先の明かりが見え始めたかな?春が近づいてきて、そんな事も可能だと思わせる今日この頃だ。

野外で食事ができる喜びが待ってると思うと今からすごく楽しみだ。

悲しいニュース

今週は悲しいことに友人のご家族の訃報を2回も聞いた。

国外への移動制限がかかっている今、3人とも自分の国に戻る事ができず、Live Onlineでのお葬式に参加することに。

お母さんを亡くした友人はロンドン在住のルーマニア人の姉妹で、彼女達はもう何年も、ブカレストに住んでいた高齢のお母さんに毎日電話をして、3ヶ月に1度はお母さんに逢いに帰っていた親孝行な娘達。お母さんは次女Dの誕生日の前日に眠っている間に永眠された。2人とも「高齢とはいえお母さんの突然の死はあまりにショックでまだ現実をうまく受け入れられない、最後にひと目見たかった。」と悲しみにくれている。

もう1人の友人Pは、もう20年近く癌で闘病されていたお姉さんを亡くした。友人Pは7人兄妹の末っ子で兄妹とても仲良く、コロナ禍の前はひんぱんにオランダに帰っていた。

今回オランダとの間に移動制限、自主隔離をもうけてないカリブ海の国Arubaに住んでいるお兄さんはお葬式の為にオランダに即帰国できたが、ロンドンに住んでいる友人Pはオランダへの帰国を断念するはめに。

とても悲しいことだけれども、3人とも「Live Onineでのお葬式はとても素晴らしくてまるで自分がそこにいるような厳かな気分に包まれた」と言っていた。

そして悲しみの中にいる友人達だけれども「家族の死に直面して人生について考え直す契機になった」「もっと健康的にそしてもっと今にフォーカスして生きていきたい」と前向きな言葉も発している所に彼女達の精神の強さが見える。

ほんと、自分の家族のお葬式にさえ行けないこんな状況を去年の今ごろはまだ誰も想像できなかった。

移動制限の為に思うように自分の家族に逢えずにいる人は世界にどれぐらいいるんだろう?

同じ国に住んでいても、クリスマス、お正月は別々だったという話もあちらこちらから聞く。

今年もまたオーストラリアにいる夫がロンドンに戻ってくる事も、私達がオーストラリアや日本に行く事もできそうにない。でも淋しくても人生の日々は刻々と過ぎていく。

だったらやっぱり今この瞬間にフォーカスして生きていかないと、少しでも笑って!

友人のお母さんとお姉さんの人生が喜びに満ちた人生であったよう、そして心からご苦労様でしたと言って今夜は祈りを捧げよう。

公園の至るところに咲くSnowdropをみて癒される
春の到来が感じられる道端の花

紅茶

今日はFortum&Masonに紅茶を買いに行った。

しばらくお茶っぱを切らしていた我が家。先日友人のS子ちゃんが自家製マーマーレードと一緒にFortnum&Masonの紅茶Countess Greyを届けてくれて、久しぶりにちゃんとポットでティーを入れると、その味といい香りといいあまりに美味しくて、ティーバッグの紅茶では物足りなくなってきていた。

友人のS子ちゃんと彼女のイギリス人のご主人は紅茶に精通していて、彼女宅ではいつ行っても香り高い紅茶を楽しませてもらえるが、私の友人のほとんどは私と同じで、普段遣いの紅茶はティーバッグならPG tips、Yorkshire Tea、Tetley、Clipper、TwiningsやPukka社のものを使っていて、紅茶好きの家庭にはFortnum&Mason、WhittardかHarrodsのお茶の缶があるって感じかな?

私はイギリス人のおうちではコーヒーじゃなく紅茶をいただく。紅茶を愛するイギリス人が作る紅茶はティーバッグの紅茶であっても、ポットの紅茶であってもなぜかとても美味しく感じるからだ。イギリス北部では濃いめの紅茶が好まれるというけれども、疲れている時にいただく濃い紅茶とビスケットを愛する人は多いはず!

中国原産のお茶の呼び方には2通りあって、お茶が今の福建省のアモイからマレーシアを経て海路で伝わったオランダやイギリスは福建語の方言のTeをもとにTay、ティ、テェと発音し、今の広東省あたりから陸路でお茶が伝播して行ったインド、アラビア、ペルシャ、トルコ、ロシア、ポルトガル、そして日本ではお茶を広東語のChaをもとにチャイ、シャイ、チャと呼ぶらしい。

ヨーロッパに最初に渡ったお茶は緑茶で、イギリスでも初めは緑茶を飲んでいたらしい。その後イギリスが中国で直接お茶を買い付けるようになって、発酵茶である紅茶の存在を知り、イギリスの水や風土にあっていた紅茶が人気を集め、中国もイギリス向けに発酵茶である紅茶を増産するようになったという。イギリス人がインドのアッサムでアッサム茶を発見してからは、アッサム茶だけでイギリスの紅茶の消費量を満たす事ができるようになったという。

確かにイギリスの水は硬水で、緑茶を入れると色は濃くなるけれども味と香りは弱くなる。でも紅茶には硬水はぴったりとあう。

そおいえば昔イギリス人と結婚したフランス人の友達が「イギリス人の義母がイギリスのお茶が世界1と言ってパリ土産のMariage Frèresのお茶を喜べへんねん!」と怒っていた。私がお母さんに「全てのお茶は元は中国原産で、イギリスのお茶と言ってもその栽培はインドやスリランカですよって言ってみたら」と言ったことがある。それを聞いたフランス人の友人は「そうやったんか~、もう文句言わせへん!」と張り切っていたのを今思い出した。

今ではいろんな国でお茶の栽培がおこなわれている。トルコやアラブ世界の紅茶なんかは独特の味があり、サモワールで煎じられ、小さなカップに注がれたトルコのチャイは世界でもトップレベルの味では!?

イギリスに初めてもたらされた緑茶、当時の人々はその緑茶の味をどう思ったんかな?

今のイギリスで緑茶がこんなに人気が出てくるとは、Fortnum&Masonで抹茶セットが売られるなんて当時の人は絶対想像できなかったやろうな~。

日本に戻ると緑茶を飲み、紅茶はほどんど飲まない私。そしてロンドンに戻ると紅茶を飲み、緑茶はほどんど飲まない。やっぱりこの風土には紅茶があうんだと思う。また今日も軽く4杯は紅茶を飲んでしまった。しばらくは美味しいFortnum&MasonのCountess GreyとRoyal Blendが楽しめるから有難い!

Fortnum&MasonのWindow Display
Clipper社のティーバッグは普段使い

アフタヌーンティーに行きたい

今週はイギリスの学校のほとんどが中休み、いわゆるハーフタームだ。

思えば去年の2月のハーフタームホリデーには、日本から友達2人がロンドンに遊びにきてくれて1週間弱という短い時間をとても楽しく過ごした。

その頃のヨーロッパではコロナと言えばまだ中国を筆頭にアジア圏での問題という認識で、ロンドンの街を歩いていてもマスクをしているのは東アジアからの旅行者ぐらいだった。ロンドンに来る前に友達に「マスクをつけていたら病人と思われて敬遠されるかも知れんし、風邪でもない限りマスクはつけへん方がいいよ!」とアドバイスしたものだ。

先日その友達が「去年の2月にロンドンに行った時は誰もマスクをつけてへんかったのに、そのイギリスの方が今は先にワクチンの接種が始まったのね」と言っていた。

イギリス政府は初期の対コロナ対策が失敗したので予防接種だけは成功させたいと願っているんだろう。

とにかく去年の友達のロンドン観光、是非ロンドンでやってみたいことの1つがアフタヌーンティーに行くことだった。私もアフタヌーンティーが大好きだけれども高級ホテルでのアフタヌーンティーはかなり値がはる為、特別な時しか行くことがない。だから友達がくる前にちょっとリサーチ!

どのアフタヌーンティーもサービスの形式は同じ。はじめに出るサンドウィッチはきゅうり、卵、コロネーションチキンといってカレー味のチキン、スモークサーモン、ローストハムが主流で、次のスコーンはクロテットクリームにジャムがつき、最後に数々のミニケーキが出され、そこに自分の好きなお茶を注文する。内容の贅沢さや凝り具合の違いと場所、空間の演習の豪華さに対して料金が変わってくる。

最高級のホテルClaridges, The Rits, The SavoyやFortnum&Masonでのアフタヌーンティーは軽く1人当たり70ポンド( 約1万円 )以上し、シャンペーン付きだと80ポンド以上。でも超リッチな気分も味わえる。

ランクをひとつ下げた、でもまだまだ豪華なアフタヌーンティーならHotel Café Royal,

1人あたり55ポンドから65ポンドぐらいの料金設定。

でも高級ホテルじゃなくても充分に素敵なアフタヌーンティーを楽しめる場所も多い。私が時々友達と一緒に行くアフタヌーンティーはこじんまりとしたブテックホテルで、お値段も1人当たり25ポンド( 約3600円 )という設定。去年もサウスケンジントンにあるNumber Sixteenというブテックホテルでアフタヌーンティーをしたけれども、お庭またはお洒落な空間の中でアフタヌーンティーができ、おかわりやスタッフのサービスも充実していてすごくおすすめ。

他にもThe Wallace Collection や Victoria and Albertoなどのミュージアムカフェでのアフタヌーンティーも気軽でいい。

結局友人と行ったのは老舗のLandmark Hotel。ホテル内のWinter Gardensという天井が吹き抜けになっていて、椰子の木がある広々とした空間の中でゆるいピアノの演奏がバックにあったアフタヌーンティー。

イギリスの伝統文化であるアフタヌーンティーを、若い外国人のウエイターがすまし顔で説明してくれるのを見ていたらなんかおかしく思えてきたのを覚えている。

優雅な時間と美味しい紅茶をいただき私達はアフタヌーンティーをおおいに楽しんだ。おまけに友達にご馳走までしてもらって、私の喜びは倍増。有難う、えみこ、さえこ!

どこにも行けない今年の中休み、今度はいつアフタヌーンティーに行けるんやろー。せめて家でスコーンを焼いてスコーンと紅茶だけのクリームティーを楽しもうか。

そおいえば今日はパンケーキデイ!スコーンはお預けして今日はパンケーキを作ろーっと。