対コロナの規制が緩和され劇場もレストランの室内もオープンされたので、私も久しぶりに映画とミュージカルを観に行ってきた。
映画を見にいった日は料金が半額日だった為、チケットは完売。館内に入ってくるなり「やったー」とガッツポーズをとる人がいたり、みんな久しぶりの映画で喜びを隠せない。面白い事に高齢者の、特に男性の中にマスクなしの人がちらほらいた事。ワクチン摂取をして自分はもう大丈夫とタカをくくっているのかな?
ミュージカル観賞も久しぶりで、シアターの前ではジャーナリストに街頭インタビューを受けている人もいた。舞台から2列目に座れた私たちは、初めから終わりまでミュージカル女優、俳優達の情熱、一挙一動を肌で感じることができ、ストリーに釘付けになり、涙は出るわ、大笑いするわと大のり。最後は観客総立ちで踊りと拍手喝采でフィナーレを迎え、私たちも大感動して家路についた。
このように作品からパワーをもらえる観劇は最高だ。
イキイキと踊って歌ってる女優、俳優をみて劇場がオープンして本当によかったなと心から思った。コロナ禍で被害を受けたエンターテインメント業界。本業が失業中にアルバイトをしている人の特集記事を読んだけれども、エンターテインメント業界の人が一番多くアルバイトをしていると書いてあったのを思い出す。劇場が休業していた期間は第二次世界大戦の時より長かったらしい。
今回見た映画 NomadlandもミュージカルEverybody’s talking about Jamieも自分軸で生きることをテーマにしていて、もう50代も後半に入り今後の人生をどお生きていこうかと模索中の私にとっては色々と考えさせられる作品だった。
特にNomadlandはロンドン住まいの私とは別世界の話であるにもかかわらず私にとっての自分軸とは何か、どこまで自分軸で生きてるかとぐんぐん自分に問いかけてくる映画。
リーマンショックによる企業倒産の影響で住み慣れた家を失い、夫にも先立たれて車中生活を送ることになった60代の女性が、不安定で過酷な労働環境にいながらも日々を懸命に生き、行く先々で出会ういろんな人との交流を通じてより自分らしく生きていこうとする主人公の気高い姿がうまく描写されていた映画だった。
それにしても主演のフランシス・マクドーマンドの演技力の高さがすごい。彼女は本物のノマドのよう!彼女がスリー・ビルボードでBafta賞の主演女優賞を獲得した時のスピーチで「かつて演劇の先生があなたには自然な才能が欠けているので、あなたは人より努力しなければ成功できないと言われたので私は努力してきた」と言っていたけれども、見る目もなく、心ないアドバイスを送った先生の言葉を逆に肥やしにして頑張ってきたフランシス・マクドーマンは大物や!
今の彼女の演技を見る限り女優業はフランシスの天職だし、彼女は自分軸で生きてるはずだと感じさせられる。
とにかく普通の生活に戻れつつあるこの夏は、ロックダウン中に生の芸術に触れあう機会が奪われた分出来る限りいろんな芸術に触れていきたいと願っている。芸術との触れ合いは人生の肥やしになるのを身を持って感じる今日この頃。