携帯窃盗多発!

9月7日のBBCニュースに、ロンドンで盗まれた携帯が1ヶ月後に中国にと言う見出しの記事が載っていた。それによると今年3月までにイングランドとウェールズで盗まれたスマートフォンの数は78000にものぼるらしい。

最近、スマートフォンの盗難がとても多いと聞く。現に過去3ヶ月の間、私の長女、次女の友人二人、友人の息子の携帯が盗まれてしまった。

長女の場合、アイフォンをジャケットのポケットの中にいれて歩きながらイヤフォンで音楽を聴いていたら、急に音楽がストップした。その瞬間あっ携帯がと気が付いたけれども、時はすでに遅し、ポケットの中にあるはずのアイフォンはもうそこになかった。実際盗まれた瞬間は覚えてないらしい。

娘は早速Find My iPhoneで盗まれたアイフォンの場所を突き止めようとし、まだ彼女の携帯が盗まれたエリアに、それもどの道かもわかっていたので、警察に電話をして助けを求めた。

最初警察はすぐにそこに向かうと言ってくれたけれども、後になって深刻なケースが発生したので今すぐそこには向かえないと娘に連絡してきた。

アイフォンがここにあると表示しているエリアには、確かに怪しそうな人がいたらしいけれども、警察なしでその人物に携帯の事を聞くのはさすがに気が引け、しばらく歩いて探し続けた後、娘はなくなくアイフォンを諦める事にした。

Find My iPhoneをみる限り、娘のアイフォンはその後もその辺りをブラブラしていて、2、3時間後にロンドン北部に移動していた。

同じ週の同じ場所で、同じように今度は友人の娘さんのアイフォンが盗まれた。多分泥棒は日中人の出入りが多い、ちょっと裕福なエリアに来て盗む機会をうかがっているんだろう。

未練たらたらの娘は一週間後にもう一度Find My iPhoneでアイフォンの場所を突き止めようとしたら、なんと彼女のアイフォンもBBCニュース同様、中国の深圳にあった。これは組織化された犯罪やね!

次女の友人の場合、公園でピクニックをしていると、誰かが猛スピードで走ってきたかと思うとピクニックシートの上に置いてあった携帯を盗んで行ったらしい。友人の携帯は高価なスマートフォンではなく、彼は携帯よりも失った数々の写真が惜しいと嘆いていたと言う。

BBCの記事によると、警察に盗難を届けたところでほぼ例外なく携帯が戻ってくることはないそう。スマートフォンはとても高価なので中古のスマートフォンを求める人も多く、中古市場で売れる為にスマートフォンの盗難は後が立たない。この問題を解決していくにはスマートフォンの製造会社が盗難にあった携帯が売れなくなるような細工を開発していかなければならないと言う。

最近は中古の携帯を売る店の前を通る度に「これも誰かから盗まれた携帯や」なんて心の中で呟いてしまう。

以前は歩きながらメッセージをチェックしたり、電話したりしていたけれども、私も最近はかなり用心してアイフォンを使っている。

今日、娘がアイフォンを失くした道を歩いていたら、携帯を片手で軽く持ちながら何かを探しているような日本人旅行者を見かけた。見ていたらなんかとても危なっかしい。私は思わず彼女達に近づいて「気をつけてください」と言おうとした。すると急に私は近くにいた男性の鋭い視線を感じた。その瞬間ハット気がついた。日本人の旅行者の携帯をずーっと見続けて、彼女達に近づいて行った私はかなり怪しく見えたはず。泥棒と間違われたかも!?

タクシーが止まり、日本人旅行者は無事にタクシーに乗り込んだ。

大丈夫かな?なんか今でもちょっと彼女達の事が気になっている。

旅行中、携帯をしっかり持っといてや!

 

映画鑑賞

最近立て続けに、日本映画を2本見る機会に恵まれた。

ドイツ人のWim Wenders監督、役所広司主演のPerfect Daysと是枝裕和監督の怪物。

Perfect Daysは役所広司がカンヌ国際映画賞で男優賞を受賞した時から、まだかまだかと待ち続けていた映画で、やっとロンドンで放映されるようになり、すぐに見に行ったきた。

映画が始まってから最初の30分ぐらいは会話もなく、ただ淡々と主人公の日常が描写されていく。さすがに監督が外国人だけあって、例えば、黄色い帽子を被った幼稚園児達が道をいく姿、地下鉄の駅に隣接した飲み屋で野球を観戦している仕事帰りの人々と日本の日常風景を見ていない人の視点から、新鮮に東京の街が捉えられている。

とにかく役所広司の目の演技が最高で、この映画を見に行った各国の友人みんな口を揃えて「役所広司ってめっちゃかっこいい」と言っていた。

怪物は(英語名Monster)カンヌ国際映画賞で坂元裕二氏が脚本賞を受賞しただけあって、ストリーが次々と別方向に展開していき、最後にガーンと心が打たれる映画だ。

怪物の主人公である子供がこれまたすごく上手に演じるので、見る側はとてもハラハラし、心配し、感情的になってくる。

Perfect Daysも怪物もすごくいい映画だった。

今回いい映画を見れた嬉しさと共に、それらを安く見る事ができ、喜びが倍になった。

最近の映画代はバカにできないぐらい高い。ロンドン中心部で週末映画を見ると18ポンド(日本円で約3450円)はする。少し待てばNetflixで見れる映画も多いので、今では映画館に見にいくときは自分が見たい映画か、または半額日だけにしてるし、友人達もみんな同じ事を言っている。

Perfect daysは特別プレヴューだったので、半額の8ポンド(役1500円)で見れたし、怪物は10ポンド(役1900円)だったのでめっちゃ得した気分。

特に映画、怪物を見たのは、フランス学校Lycéeに隣接するInstitut Françaisと言うフランスの文化会館。そこには劇場、図書館、外国人の為のフランス語クラス、そしてカフェも入っている。

映画を見る前にカフェでコーヒータイムをしたけれども、頼んだピスタチオのフランはめちゃくちゃ美味しかったし、ムール貝とフリッツの写真が各テーブルに置いてあったり、ウエイターもフランス語で挨拶してきたり、まるでフランスにいるような気分、一緒に行った娘達も「いつもの日常と変わってなんか特別感があるね」と言って喜んでいた。

Institut Françaisでは25歳以下の若者には全ての映画を5ポンド(約960円)で見れるサービスがあり、次女も早速そのメンバーシップカードを作っていた。お金があまりない若者にはとても有難い制度だ。

私が感じるには、日本文化に興味があるフランス人が多いって事。特に若者の間では日本のアニメから日本の事を多く知った人も多い。私のフランス人の友人Mの息子さんも独学で日本語学んでるし、確かフランスにいる彼女の甥っ子は日本人女性と結婚している。

フランス学校の近くには日本のパフェを食べれるカフェもあり、いつ行ってもフランス人の学生でいっぱいで、見ているとみんな日本食についてもよく知っている。

映画は異なった文化を垣間見れ、異体験をさせてくれる。

今回の私は異国で母国の日常を垣間見る事ができ嬉しかったし、色々と考えさせられた。

有難い事だ!

2月の行事、パンケーキデイ

1月中旬から急性気管支炎にかかってしまい、もう4週間目と言うのに今でもまだ咳と痰が止まらない毎日が続いている。

かかりつけのお医者さんに行くと、彼女の患者さんのうち60%は今の私と同じ問題を抱えていて「抗生物質を飲んだ後は、辛抱強く治るのを待たないと、Be patient!」と言われてしまった。患者を表す英語はPatient,これは忍耐強いと言う意味で「まさに患者がpatientと呼ばれているのは忍耐強く病気が治るのを待たないといけないからよ」と医者は言う。

そんなこんなで私が不調の間も、時は2月に入り、節分、チャイニーズニューイヤー、パンケーキデイ、そして昨日はヴァレンタインデイといろんな行事がやってきた。

昨日のヴァレンタインデイ、街には薔薇の花束を抱えてた男性を多く見かけた。特に若者が赤いバラの花束を抱えて家路を急いでいる姿を見ると、なんか私までウルっとさせられる。

長女は地下鉄の中で、高価な花束をかかえている人、一輪のバラを抱えている人といろんな人を見かけ、それぞれの懐事情もありありで、面白い人間観察になったと言っていた。

うちの旦那は昨日がヴァレンタインデイである事も忘れていたぐらいだから、一輪のバラでもお花をもらえるだけでもありがたい、ありがたい!

とにかく色々ある2月の伝統行事の中でも、私は13日、火曜日のパンケーキデイが大好きだ。

パンケーキデイはキリスト教徒の伝統行事。

キリスト教徒は日曜日を除く復活祭前の40日間をレントと呼び、レントの間はイエス・キリストがかつて荒地で断食をし、苦難を引き受けた事を思い起こして断食をする。今では断食はしなくても、レントの間は少なくても自分の好物をやめたり、肉食をたったりする人が多いようだ。

レントの初日はAsh Wednesday灰の水曜日と呼ばれ、その前日の火曜日がShrove Tuesdayと言われてパンケーキデイにあたる。この日は断食を前に家に残っているバター、卵、ミルクを使い切る為にパンケーキを焼く習慣ができたようだ。

イギリスだけではなく、アイルランド、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドでもShrove Tuesdayにはパンケーキを食べる習慣になっているらしい。

でもイギリスでは、この日各地でパンケーキ入りのフライパンを片手に持って走るパンケーキレースが開かれる。走りながら決められた回数、パンケーキをひっくり返しながら走らなければならない。私はまだパンケーキレースを見に行ったことはないけれども、レースの映像を見てるかぎり、とても面白い伝統行事に思う。

パンケーキレースは元々1445年にオルニーという街で、ある主婦がパンケーキを焼いていたら、ミサを告げる教会の鐘がなりだし、その主婦はミサに遅れない為にエプロン姿のまま、パンケーキ入りのフライパンと共に大慌てで教会にやってきて、これがパンケーキレースの始まりになったらしい。

クリームやチョコレートソースとともにいただくクレープやホットケーキのようなパンケーキと違って、イギリス風はレモン汁と砂糖、またはゴールデンシロップをかけてシンプルにパンケーキをいただく。

これにはまりだしたらもう後戻りできない、レモン汁と砂糖が最高になってくる。

まだまだ寒い日々が続いて、体調を崩している人も多いけれど、こうして各国のいろんな行事を楽しみ、私もみんなも春をまっている今日この頃だ。

パーティーに行く

クリスマスからお正月と続くこの時期にはホームパーティーを開いたり、呼ばれたりする機会が増える。

狭いフラットに住んでる我が家でパーティーを開くことは無理だけれども、有難い事に毎年何人かの友人がパーティーを開いて招待してくれるので、このところ何回かホームパーティーにお呼ばれしてきた。

毎回パーティーに行く度に思う事は、パーティーで楽しく過ごすにはやっぱり社交性がある程度必要って事。

イギリスのホームパーティーの特徴は、誰も他の人を紹介しないので、ホストが近くにいて紹介でもされない限り、自分から見知らぬ人に声をかけていかなくてはいけない。知った顔がいればいいけれども、知らない人が多い場合は、自分で話しやすそうな人を探して会話をしなければならない。勿論友人の友人だから、どの人も一応には感じがよく共通点も多い。でも時にはなかなか会話が続けられない相手もいたりする。

私が見た限り、パーティーではほとんどの人が自分の知っている人と話こんでいる。

だから時には、ホスト以外の知り合いがいなくて、グラスを片手に1人で立っている人を見かける事もある。

この間も家族7人でパーティーにやってきた友人家族がいた。私はその奥さんと知り合いなので彼女と話していたら、その彼女が「見て、うちの家族自分らだけで話してるやん、これやったら家にいてるのとおんなじやんね」と言って笑っていた。

という私達家族も一瞬、次女と夫と3人になった時があった。その瞬間娘とお互い「あかんあかん家族でいたら意味ないわ」と言ってすぐ他の人の会話に参加した。

他の国ではどうかはわからないけれども、オーストラリア人の夫も、スペイン人の友人Sも「自分達の国ではパーティーではホストが他の人を必ず紹介するで」って言っている。

私はパーティーで1人でいる人を見かけたら、気になって必ずその人に話しかけるようにしている。もし自分がそんな立場になって1人で飲んでいた場合、絶対誰かとお話したいと思うやろうしね!

この間も、本当は友人達とおしゃべりし続けたかったけれども、他の人をあまり知ってなさそうな人と目があって気になって話しかけたら、案の定その人だけが、ホストの新しい職場の同僚で、そこに誰も知り合いがいなかった。医療関係者でモレシャス出身のその人との会話からはいろんな事を学び楽しかったし、声をかけてよかったと思った瞬間だった。

ある時パーティーで、1人のベルギー人男性の立ち振る舞い感心した事がある。そのベルギー人はつい1週間前から付き合いだしたイギリス人彼女に連れられて、友人のパーティーにやってきた。

聴くところその日の午後ロンドンに着いたばかりと言う。勿論そのベルギー人は自分の彼女以外誰もそこに知り合いがいてなかった。でもそのベルギー人男性は余裕たっぷり、愛嬌たっぷりでいろんな人の会話に入っていき、気がついたらグループの真ん中にいて誰とでも打ち解けていた。

これができると最高、どこでも行けるね!

私の長女はパーティーであろうと正式なディーナーテーブルであろうと誰とでも話ができるタイプなので、よく一番話にくそうなタイプの隣に座らされる事が多いし、いろんなところ、人からお呼ばれをうけてくる。次女も「初対面の人でも平気、自分は誰とでも会話できる」と公言している。

私自身も夫もそこまで会話上手じゃない、でも一応フレンドリーな性格なので社会性はある方だと思う。それでも私なんかは苦手なタイプもいるし、話がスムーズにできる相手が見つかるまではなんかそわそわしてしまうのも本音だ。

そお言えば昔、ある友人の誕生日パーティーでとても素敵なアイデアに出会った。

ギリシャのアンドロス島に別荘を持っているその友人家族は、パーティー招待客が到着した時に各ギリシャの島の名前が書かれている紙切を渡した。パーティー半ばごろ、ホストが「みんな自分と同じ島の名前が書かれている人を探して、会話してみて!」とアナウンスし、みんな盛り上がって自分の仲間を探して盛り上がったことがある。人と人をつなげる面白い企画だ。

今年は50代最後の年、どんな会話でもそこそこついていけるように、話してて楽しい人でありたいし、まだまだ自分を磨いていかな!

2024年もよろしくお願いします。

クリスマスイヴ

今日はクリスマスイヴ。

さっきクリスマス前の最後の買物に行った。いつもより行き交う車も駐車している車も今日は少ない。ロンドナーは皆それぞれの目的地に行ったんやろうね。

反対にホテルが多いうちの近くでは、マレーシアやアラブからの旅行者を多く見かけた。この辺りのキリスト教徒じゃない人が経営しているお店は、明日のクリスマスも空いているらしいから、旅行者が食べ物に困ることはない。

イギリスでは24日はあくまでもクリスマスイヴで、今日も明日の為の買い物をする人や半日仕事をしている人も結構いる。

でもヨーロッパの友人達は、イヴである今日24日に家族で集まってクリスマスを楽しんでいる。スペイン、フランス、イタリアとみんな今夜はキャンドルライトの元でシャンパンやプロセッコを飲みながら、エビとアボアドカクテル、生ハム、生牡蠣なんかを頂いているのが想像つく。いいな~!

私的にはそんな風にろうそくの明かりの中で、ゆっくりとクリスマスムードを味わいながら夕食を取りたかったけれども、なんと家族会議の結果、今夜は寄せ鍋に決定。あ~キャンドルライトのイメージからはかけ離れていくけど、クリスマスの夕食はワイワイガヤガヤ盛り上がった方が楽しいかな!?

明日のクリスマスランチは生牡蠣、スズキのカルパッチョ、エビのニンニク炒め、突き合わせにはローストポテトをはじめいろんな野菜、いろんなサラダ、ソーセージ、芽キャベツ、デザートはパブロバとオーストラリア色が強いメニューにする事に決定。

本当はターキーとか食べたいけれども、お肉が食べれない夫の事を考えると、みんなが好きな魚介料理の方が我が家にはあってるから仕方ない。

この時期になると、普段はほとんどアルコールを飲まない私でも、ちょっとシャンパン、プロセッコ、モールドワイン、ポートを飲みながら、チーズや生ハムなんかをつまみたくなる。

今宵はイギリス産のスチルトンチーズにポートではなく、スペイン産のチーズ、マンチェゴとイタリア産のゴルゴンゾラ、イギリス産のウエンデイデールアンドクランベリーチーズとプロセッコでスタート。

これだけで、クリスマス、ホリデー気分になるから不思議だ。

さて今は夕食も終わり、家族でちょっとしたゲームも楽しみ、一段落したところ。

「クリスマスイヴに寄せ鍋をいただき、明日はターキーも食べない我が家のクリスマスはなんかクリスマスらしくないわ~」とちょっと愚痴をこばしていたら、家族みんなに「一体どんなクリスマスイヴがママにとってのクリスマスイヴなん」「どこの誰がそんな感じのクリスマスイヴを送ってんの?」と責められる!

昔スペイン人の友人宅で経験したクリスマスの話をすると、娘も夫も「そんなんより今日の寄せ鍋の方がいいわ~」と返される。

確かにクリスマスに何を食べるかは国、人それぞれ。チェコ人やポーランド人の同僚は24日にはお肉は食べない習慣があるので魚を食べるって言ってたし、クリスマスにはターキーや鴨が人気のフランスだけれども、私のフランス人の友人はきじを焼くって言ってた。

クリスマスの朝には、知り合いのイタリア人にもらったPan d’oroを食べる予定だったけれども、娘達に頼まれて今夜の寄せ鍋の残りにうどんを入れて食べることに決まった。

ほんまうちのクリスマスは日本、オーストラリア、イギリス、フランス風となんでもありのクリスマス。

でも一番大事なの、大切な人々と感謝の気持ちを持って楽しい時間を過ごす事やね!

Merry Christmas, everyone!

12月がやってきた

とうとう今年も12月に突入。1日は朝、職場(小学校)につくとクリスマスソングがかかっていた。ちょっと前から街角ではクリスマスツリーが売りだされ、スーパーに行くとポインセチア、クリスマスカード、クリスマスパーティー用の食べ物が売られ、この時期限定の殻付きナッツが店頭に並びだす。

クリスマスマーケットも出現して、ホットチョコレート、モルドワインの匂いにひかれ、仲良く並べられたジンジャーブレッドマンにもお目にかかる。

12月はクリスマス前のワクワク感で満ちている。

子供の頃実家のクリスマスツリーにかかるライトのピンク、紫、青色が点滅する様をずっと見つめながら、異空間感を少しばかり楽しんでいた私。私にとってのクリスマスは、25日の朝枕元に置いてあるサンタさんからのプレゼントを開ける事、不二家のぺこちゃんの長靴に入ったチョコレートやお菓子、クリスマスケーキを食べる事だった。それでもそこには何か特別なものがある事は感じていた。

ロンドンの小学校にとってのクリスマスは、まずはNativity Play 、キリスト降誕劇。11月中旬から日々リハーサルをおこなって、12月12日に親にお披露目する。数年前までは、Nativity Playと言えば宗教の授業の一環として、伝統的なクリスマスソングを歌って、キリスト降誕を演じていた。

でも最近は、宗教的な意味合いが薄まり、少しポップにアレンジされたクリスマスソングを歌い、ローマ兵やシーザーなんかが登場する台本で演出される。

Nativity Playはキリストの生誕を祝う劇だから、時々イスラム教徒の親は子供のNativity Playへの参加を認めないこともある。でも今年一番上手に熱意を持ってクリスマスソングを歌っているのは、イスラム教徒のカタール人の児童、なんか見ていて微笑ましい。

次にNativity Playと同様に大事なクリスマス行事、Carol Service、クリスマスのミサが行われる。

これは中高生、父兄も一緒に近くの教会で、賛美歌を歌い、キリスト生誕にちなんだ聖書の朗読をして、とても厳かに行われる。イギリスでは必ずクリスマスの賛美歌と言えば、Once in Royal David’s Cityで始まり、Hark! The Herald Angels Singで締めくくられる。キリスト教徒でない私や友人たちも、長年イギリスにいるとクリスマスのミサを歌う事が楽しみになってきているほどで、これも12月の楽しみの一つだ。

時には児童を連れて、病院にクリスマスの賛美歌を歌いに行き募金活動をする事もある。

私はクリスマス前には娘達と一緒に近くの教会に賛美歌を歌いに行く。キリストの生誕に想いを馳せる訳ではないけれども、賛美歌を歌っていると心が綺麗に洗われていくようで、ヒーリングがされているようで気持ちがいい。

次に子供もスタッフもクリスマスジャンパーを着て、クリスマスランチをいただく。

今までは伝統的クリスマスランチ、ターキー、ソーセージ、詰め物、ポテト、人参、パースニップのローストに芽キャベツだったけれども、両親の大半が外国人の子供達にはこのイギリス的クリスマスランチは不人気で、今年はソーセージは残るけれどもピクニックランチのメニューに変更されるそう。これには大人達はがっかり!

そしてNativity,Christmas Carol,クリスマスランチが終われば、我が校では、全児童を連れてイギリス12月の恒例行事である、パントを観にいく。

パントとはパントマイムの事で、16世期にイタリアで誕生した即興喜劇が元になっている。

ピーターパン、アラジン、ジャックと豆の木、眠れむ森の美女などの童話をベースに、大袈裟な衣装を身に包んだ俳優が登場し、必ず悪役が出て、観客も参加するドタバタ劇がパント。

悪役が登場するたびにみんなでブーイングしたり、そこにいるでーと大声で叫んだりする。時には大人のジョークが飛んで、これ言っていいの?と思わせるが、子供の頭を素通りして、みんなが笑っているのがまた面白い。

時には悪役を怖がる子供もいて、スタッフはそんな子供をあやしながらも楽しんでパントを観ている。

パントで大笑いした翌日が今学期の最終日となる。

冬休みに入った子供達にはまだまだ12月恒例の催し物が待っている。ラッキーな子達はバレエのくるみ割り人形やスノーマンの劇を観に連れていってもらったり、クリスマスマーケットに連れて行ってもらってアイススケートをしたり、サンタさんと写真をとったりと楽しみがいっぱいだ。

大人は大人で、友人とパーテイーをしたり、プレゼント交換をしたり、この時期ならではの映画Love Actuallyを見たり、やはりこの時期ならではのミンスパイやモルドワインを頂いたりと、子供と同じように楽しんでいる。

あー素晴らしい12月よ、どうかどの人にとっても楽しい月でありますように!

ラグビー観戦

今、フランスではラグビーワールドカップが開催されて盛り上がっている。残念ながら地元フランスはラグビー強豪国である南アフリカに敗れてしまったけれども、フランス人観戦客の熱い思いはテレビを通じても感じられ、その試合を見ていた南アフリカ人の友人でさえ「なんか悲しい」と言っていた。

2019年に日本で開催されてラグビーワールドカップは大成功だったと聞く。

スポーツの国際試合開催は開催地に経済的にも、心情的にも、平凡になりがちな日常を盛り上げてくれる。

先週は日本ーアルゼンチン戦が行われた。いつもは自宅でラグビー観戦をしている夫は、この日の試合を、長女と学生時代ずっとラグビー選手だった娘の彼氏、彼氏のご両親と一緒にパブに試合を観に行った。

日本は負けたけれども、いい試合を観れた夫は「パブの一角はアルゼンチン人のサポーターがいたけれども、ほとんどの人は日本を応援してたで、めっちゃいい試合やった」と嬉しそうな顔をしながら家に戻ってきた。 私は自宅で片付けをしながら時々試合を観ていたが、それでもアルゼンチンが点をとれば、また日本も取り返すと言う試合で、現地の人が盛り上がっているのがよく感じられた。

ラグビー、1823年にイギリスの名門校ラグビーで、サッカーの試合中に選手がボールを手に持ってゴールに走ってしまった事が元でラグビーが誕生したと言われている。

私の弟は昔ラグビーをしていたし、母はラグビーテレビ観戦が大好きだった。弟の経営するお店にはプロのラグビー選手がよくきてくださると言う。長女は大学で男女混合のラグビーチームに入っていたし、我が夫は大のラグビーフアンで、ほとんどの国際試合は見れる限り自宅でラグビー観戦をしている。

だから私にとってラグビーはとても身近に感じるスポーツ。

でもイギリスで誰もがラグビーを見るかとうと、決してそうではない。

オーストラリアではラグビーは誰もが見る、庶民のスポーツだけれども、イギリスでラグビーが好きな人は、学生時代にラグビーをしていた人達や、家族や友人がラグビーをしていた人、短絡的に言えば私立の学校で教育を受けた人達に多い。

もちろん全部が全部とは言えないけれども、イギリスの学校で教えられているスポーツは、ラグビーがプレイできるだけのフィールドがあるイギリス北部やウエールズの除けば、私立の学校ではラグビー、スペースに限界がある公立の学校ではサッカーに力をいれている傾向があるからかもしれない。

イギリスでは、テニスのウインブルドン観戦客がお洒落で、お金持ちそうな人が多いのと同じで、各スポーツと社会階層に関連性が見られる。インド人の誰もが愛するクリケットも、イギリスではどちらかと言えば中流階級と認識されている人達に支持されているようだし、アメリカでは人気のラクロスをイギリスで教えているのはほとんどが私立の学校と聞く。

面白いのはスポーツ観戦に力を入れているパブでも、ラグビーの時間帯、サッカーの時間帯、クリケットの時間帯、また別のスポーツの時間帯があり、それぞれが好きなスポーツを見に、各フアンが入れ替えたちかえやってくる。

ラグビーの試合が見れるかを、あらかじめ事前にパブに電話をして行った夫が「ラグビーを見てたら途中からサッカーフアンが多くやってきて、チャンネルをサッカーに変えられた」と文句を言いながら帰ってきた事があり、パブでラグビー試合を見たい時はラグビー観戦を優先しているパブを探してから出かけていく。しかもスクリーンが大きいかどうかも確認していくから、なんか笑わせる!

それでも、人それぞれ好みのスポーツがあっても、大きな国際試合の準決勝に自国が出るとなれば、誰もが少しは応援してみようと思うんでは?

今週末に行われるイギリスと南アフリカ戦、この国ではこれは盛り上がりそうや!

夫の演奏

我が夫の趣味は音楽。彼はギターを弾き、作詞、作曲をし、自分のミュージックビデオを作った事もある。

そんな音楽大好きな夫だけれども、残念な事にご近所さんのことを考えたら、自宅ではボリューム大でギターを弾いたり、歌う事はできない、と言うか「やらないで」とこちらがお願いしているので、彼は家では存分に音楽を楽しめない。

このな事情が多いからかどうかは知らないけれども、ロンドンではオープンマイクと言って、お客さんが自分の好きな音楽をパブで演奏するイベントがある。勿論パブもお客さんの集客が目的だけれども、アマチュアミュージシャンが演奏する機会を設けられる、音楽好きには有難いイベントだ。

夫は主にDavid Boy やDuran Duranと言った80年代のポップミュージックを弾くけれども、どんな音楽を演奏するかは、各自それぞれ。

沖縄出身の女性グループが、沖縄サウンドを披露したり、とてもシリアスな表情をしたカザフ人女性が急にピアノの前に座ったかと思うと、いきなりドレドレ、ドレミファソファミレと音階を弾き始め、次にエリーゼの為を弾き出したり、ロンドンに旅行に来ていた香港人、フィンランド人のツーリストが夫に伴奏を頼んで、自分の持ち前の歌を歌ったり、音楽学校の生徒が歌いに来たりと、まさにオープンマイクでなんでもあり。

それが先月「今度の金曜日の晩に演奏してくれないか」と、あるパブから夫に嬉しいオファーがきた。

午後7時から10時まで、自分の好きな曲を演奏して、演奏料も少しいただけると言う。まさに自分のしたい事でお金も少しいただけるなんて、夫は大喜びで即決した!

そして昨夜もまた同じパブで、夫は3時間のギグをおこなった。きてくれた友人も、パブのお客さんも同年代が多かったせいか、みんな一緒に歌を口ずさんで、パブ内はとてもフレンドリーな雰囲気に包まれた。

実は私も一緒にいった次女も、実は夫の演奏姿をみるのに初めは少し抵抗があった。自分の子供のバイオリンコンサートにいった時と同じで、「間違うんと違うか」ってこちらがドキドキしてくると思ってたからだ。だけどもみんなが喜んでいる姿を見て、そんな不安も一掃。

音楽が持つ、人と人を結びつける力にも実感させてもらったし、何よりも前回も今回も、成人した友達の息子くん達がパブに来てくれて、大感動。音楽は年齢関係なくみんな楽しめるから最高や!

応援してくれた友人達のおかげで、パブ側も売り上げは上がっただろうし、夫の演奏も評価してくれているみたいで、「また近いうちに演奏しに来てください」と言ってもらえ我が夫は上機嫌。

次回は、歌の上手な娘達と一緒に歌うのが夢のようだ。

若い時、バンドを組んで、ポップスターになることを夢みた我が夫、ポップスターにはならなかったけれども、オープンマイクやライブ演奏のおかげで、人前で演奏する機会ができて本当に有難い。私もいつか勇気を出して、夫の演奏で一曲歌ってみよかな!?

アイスコーヒー

最近、近所にお気に入りのカフェを見つけて、友達と会う時はもっぱらそこに行っている。

ギリシャ人が経営するそのカフェ Ariston Hellenic Eateryは、ロンドンでは珍しく外にテーブルがいくつかあり、店内もガラス張りで、白と黄色が基調の、すがすがしい気持ちにさせる空間だ。

なんと言ってもコーヒーがとても美味しい。

私はそこのアイスディカフ ホワイトアメリカーノが大好きだ!

日本の夏の定番アイスコーヒーは、ここ最近のロンドンでも人気がたかまってきた。

おそらくStarbuksがフラプチーノを売り出した1995年あたりから、アイスコーヒーの人気が高まってきたのでは?

でもスペインなんかでアイスコーヒーCafè con hieloを注文すると,コーヒーと氷が入ったグラスが2つ出てきて、あとは自分でそれらを混ぜてアイスコーヒーを作る。アイスを入れてもなんか生温いコーヒーは、決してアイスコーヒーとは呼び難い・

そんなこともあって、ギリシャのカフェで「アイスコーヒーはできますか?」と聞いたら

「勿論、僕らはみんなギリシャ人ですよ!」と返してきた。

その自信に満ちた返答に、もしかしたらアイスコーヒーはギリシャ起源かなと思い、調べてみる事にした。

ギリシャのアイスコーヒーはフラッペとして誕生した。1957年にネスカフェのギリシャ代表取締役が偶然に作ったことが始まりだそう。インスタントコーヒーのネスカフェ、お水、砂糖、練乳をシェーカーで混ぜて作られたそうだ。

これって私が子供の頃、家で母がよく作ってくれたアイスコーヒーと同じや!

歴史上にはじめてアイスコーヒーが登場するのは、1840年フランスの植民地だったアルジェリア。

Mazagranと呼ばれてるアイスコーヒーは、コーヒーシロップ、冷水と砂糖を混ぜたもので、Mazagranの戦闘中、フランス人の軍人たちが地元の人が飲んでいたコーヒーからアイデアを経て、作られた。その後パリに戻ってきた軍人が、Mazagranをパリのカフェに教えて広まっていったと言われている。

日本では1920年、大正時代からアイスコーヒーが飲まれてた説があり、明治時代には喫茶店のメニューで氷コーヒーが記載されていたらしい。昔は瓶にコーヒーを詰めて、井戸水や氷につけて冷やすという方法で作られていて、その後ダッチコーヒーと言って、水で時間をかけてコーヒーを抽出する方法が普及していったと言う。

昔、大阪ではアイスコーヒーの事を冷コーと呼んでいたのを思い出す。

確かに今では、Starbuksを始め、いろんなコーヒーチェーンが全世界展開しているし、コーヒーはテイクアウトにおいても一番売れるドリンクなので、特に夏場のアイスコーヒーの種類は、アイスモカ、アイスモカフラプチーノ、アイスキャラメルフラプチーノ、アイスディカフオーツラテなど色々と種類が豊富になっている。

コーヒーの種類が豊富と言えば、友人のアメリカ人の知人がイタリアにいった時「ドライカプチーノ1つ」と注文したら、イタリア人のバリスタに「はっ、今なんていったん、何それ」って聞き返されたらしい。

コーヒーの国イタリアでは、カプチーノはお昼過ぎたら飲まない、とかラテと頼んだらミルクだけが出てくるとか、独自のコーヒー文化がある。

アイスコーヒーも国によって、それぞれ作り方、好みの味付けが違う。ギリシャやイタリア以外にもアメリカ、オーストラリア、ドイツ、そしてタイ、ベトナムでも独自のアイスコーヒーが作られている。

でも私は日本のアイスコーヒーが一番好き!イギリスにはないけれど、シロップを入れて、クリームといただくアイスコーヒー。日本に帰れない今年の夏は、あのアイスコーヒーを飲むことができないけれども、それに近い味になるよう家でアイスコーヒー作りに挑戦してみたい。

はじめて聞く採点スト

今年のイギリスは本当にストライキが多い。

私が覚えている限りでも、電車にバス、ロンドン地下鉄、郵便局、公立の小、中、高校の先生、医者、看護師及び医療関係者、救急車、ヒースロー空港と入国管理局と様々な業界でストが行われてきた。

国民はというと、少々生活が不便になっても、物価高騰の中、給与はそれに比例せずに上がっていない実情を踏まえて、スト決行には多少の理解を示していたはずだけれども、こう度々ストをされると、いいかげんうんざりしている人が多いはず。

そんな中、当初はストライキを検討していた消防車は、いざ問題が起きた時に直面するだろう状況が、あまりにリスク高と判断し、ストを断念した。有難い事だ!

でも今回大学の教授、講師が授業のストライキに加えて、卒論、論文の採点をしないというストライキ(No marking and assessment boycott )を決行した時、私は本当に頭にきた。

私の次女がまさに被害者の1人だからだ!

彼女も長女も、大学在学中にストで講義が幾度もキャンセルされた経験を持つ。その度に「残念やけれども、大学の教授の年金制度はあまりにもお粗末なので、私らはこのストを支持するわ」と彼女達はストのたびに大学側を擁護してきた。

でも今回は違う。さずがに卒論の採点を拒否するのはひどすぎる。

私の娘は、ほぼ毎日朝早くから大学の図書館に通って卒論に力を入れていた。おそらく彼女の人生の中で一番熱を入れて勉強していたはず。それなのにその努力の結果が今も未来も採点されないなんて、残念で仕方ない。

イギリスの大学では、卒業時に授与される卒業証書には、学位である最終成績が記載される。

成績は上位からFirst,Two-One,Two-Two そしてThirdと区分され、頑張ってきた学生は勿論皆Firstを目指しているし、就活時にも有利になるとみなしている人が多い。

娘の場合、卒論意外にもう一つエッセイが採点されない事になり、大学側が「申し訳ないでが、今までの成績はFirstグレードであったので、卒論が採点されない代わりにFirstで卒業することのなります」と伝えてきた。

勿論Firstで卒業は有難いものの、あんなに力を入れて書き上げた卒論が全く採点されない事にはがっかり。卒論は3人の教授、研究員者が採点する事になっており、娘の場合そのうちの2人がストに参加したために、今回採点不可になってしまった。

反対に卒論の内容がFirstに値するほど素晴らしいものでも、ここまで採点された成績がTwo-Oneの人はTwo-Oneで卒業する事になるのも本当に残念だ。

エジンバラ大学で社会学を専攻している次女の友人も、先週大学側から連絡が入り「教授の採点ボイコットストライキの為、卒業時の学位には最終成績は明記できません」と言われたそう。

その友人も今まで一生懸命に学んできただけに、すごく落胆しているらしい。

強烈な方法を取らない限り、ストを起こしても体制側は妥協してこないかもしれないが、高い授業料を払って、それもほどんどの学生が学生ローンを借りて払っていて、コロナ禍はオンラインでしか学べなかった学生達が、なんでこんな被害にあわされるのか、本当にこの夏卒業する学生には申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

次女は、大学の授業、採点ボイコットのスト以外、ドクターのストライキでも被害を被った。

彼女は靭帯を切って、7月中旬に手術が入る予定だったけれど、1度目は病院側の事務のミス、2度目は担当医がストライキに参加する為に、2度も手術日が変更させられている。

私の知らないところでも、きっと多くの人がストの犠牲になっているんやろうね。夏休みになると、また航空関係者のストが出て来るかも?

とにかくこれ以上、ストライキを強行する前に、解決案が双方で見出される事を願うのみ!